上程とは、首長が条例案・予算案・その他の議案を議会に提出して審議・議決を求める行為、またはその議案が本会議の議題として取り上げられることである。地方自治法の枠組みにおいて首長の議会提案権を行使する行為として位置付けられる。
地方自治法第96条・第99条等に基づき、条例の制定・改廃、予算の決定、重要な財産の取得・処分等は議会の議決を要する。首長はこれらの議案を議会の定例会・臨時会に提出(上程)し、議決を経て執行する。条例案・予算案は定例会前に議会事務局へ送付され、本会議の議事日程に組み込まれた段階で「上程」となる。上程前には所管委員会への説明・会派への事前説明(議会局との調整を含む)が行われる場合がある。
議案の種類と上程の手続き
首長が上程する議案には①条例案(制定・改廃)、②補正予算案・当初予算案、③重要な契約(一定金額以上の工事・購入)の締結、④財産の取得・処分(一定規模以上)、⑤報告事項(専決処分の承認等)がある。定例会の開会に際し、首長が提出する議案一覧を議会事務局に送付し、本会議の議事日程に組み込まれることで上程が実現する。議案は本会議で上程された後、所管の常任委員会または特別委員会に付託されて審査される流れが一般的である。
上程に至る庁内手続き
議案の上程に先立ち、原課が起案し合議・決裁を経て正式な議案書を作成する。法規担当課・財政担当課・議会担当課との調整が行われ、議会提出前に副市長・市長による最終確認が行われる。条例案については法規審査(条文の法令適合性・他条例との整合性のチェック)が義務付けられていることが多い。
議員提案との違い
議員定数の12分の1以上の連署により議員が条例案等を発議することを「議員提案」と呼び、首長による上程とは区別される。市民が直接請求(有権者の50分の1以上の署名)によって条例制定を求める場合も、首長が議会に付議する手続きをとる。
臨時会における上程
定例会以外に特定の案件のみを審議するために招集される臨時会でも上程は行われる。臨時会は首長が招集するが、議員の4分の1以上の請求や議長の判断によっても招集が可能である(地方自治法第101条)。緊急を要する補正予算・契約案件の議決が必要な場合に臨時会が活用される。
上程後の議会審査の流れ
本会議で上程された議案は、関係する常任委員会または特別委員会に付託されて審査される。委員会では担当部局職員が出席して説明・質疑応答を行い、委員会での可否決定後に本会議で最終的な採決が行われる。首長が提出した議案が否決された場合は、首長が再議に付することができる(地方自治法第176条)。
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