議決事項とは、地方自治法第96条等に基づき地方議会の議決を経なければ執行できない事項の総称であり、条例の制定・改廃、予算の決定、決算の認定、重要な契約・財産処分等が法定されている。
地方議会は条例・予算・決算等の重要事項について議決権を持ち(地方自治法第96条第1項)、執行機関(首長)はこれらの事項を議決なしに執行することができない。議決なしに執行した行為は原則として無効となるため、契約・補助金交付・財産処分を行う前に必要な議決が得られているかの確認が実務上の必須事項だ。
法定議決事項
地方自治法第96条第1項が定める法定議決事項の主なものは①条例の制定・改廃、②予算の議決、③決算の認定(同法第233条第3項)、④地方税・分担金・使用料・手数料の徴収に関する条例制定、⑤土地・建物等の財産の取得・売却(一定金額以上。政令で規定)、⑥負担付き寄付または贈与の受領、⑦法律上義務のない公金支出・債務負担行為、⑧契約の締結(一定金額以上。条例で規定)等だ。 同条第2項は「その他の事件」の議決を条例で追加できると定めており(いわゆる「追加的議決事項」)、各自治体の条例で増やすことができる。基本構想・基本計画・重要な行政計画の策定を議決事項とする条例を定める自治体が多く、計画行政の民主的正当性強化に活用されている。
専決処分との関係
議会を招集する時間的余裕がない緊急の事態では、首長が専決処分(地方自治法第179条)で議決すべき事件を処理できるが、次の定例会で報告・承認を求める義務がある。専決処分が承認されない場合でも行為の効力には影響しないが(判例)、政治的責任・次回予算措置への影響が生ずる。議会との信頼関係を維持するため、専決処分の範囲は真に緊急やむを得ない場合に限定することが求められる。
財産取得・処分の基準
財産の取得・売却等の議決を要する金額基準は政令(地方自治法施行令第121条の2)で「予定価格2,000万円以上の不動産等の買入れ・売払い」等と定められているが、条例でこれより低い基準を設ける自治体も多い。契約の議決を要する金額は条例で「予定価格1億円以上の工事・製造の請負契約」等と定めるケースが標準的だ。
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