付議とは、特定の事項を会議・審議会・委員会等の合議体に提出し、審議・議決・承認を求める行為である。首長が議会に議案を提出することを「上程」と呼ぶのに対し、行政内部の会議や附属機関への提出には「付議」の語が使われる。
地方自治体では、条例の制定・廃止、重要な計画の策定・変更、重大な財産の処分等について、行政内部の決裁のみならず附属機関(審議会・委員会等)への諮問・答申または議会への付議が義務付けられる場合がある。付議は「案件を合議体に送付して判断を求める」行為の総称であり、諮問・上程・提案等と文脈に応じて使い分けられる。
審議会への付議
行政手続条例・法令に基づき設置された審議会・審査会等に対して首長が諮問する行為も「付議」と呼ばれる。環境基本計画の策定・変更、都市計画の決定・変更、指定管理者の選定等で審議会への付議が義務付けられるケースがある。付議後、審議会からの答申を受けて首長が最終決定を行う。付議する際は議案書・参考資料の整備が必要であり、審議会委員が実質的な審議を行えるよう情報提供の水準に配慮する。
庁内会議への付議
首長・副首長が出席する政策決定会議(政策調整会議・庁議等)にも重要事項が「付議」される。予算編成方針・組織改編案・重要な政策決定等が付議事項となる。付議の結果として決定された事項は、担当課が議事録等に記録して周知する。
議会への付議(上程)との違い
議会へ議案を提出して審議・議決を求める行為は一般に「上程(じょうてい)」と呼ばれ、付議という言葉とは区別して使われることが多い。ただし、条文上「議会に付議する」という表現が使われることもあり、文脈に応じた判断が必要である。行政組織内部の合議体(部長会議・対策本部等)に事項を提出する場合は「付議」が自然な表現となる。
付議の前提となる手続き
審議会への付議の前には、事前に委員への資料送付・説明資料の準備が行われる。委員からの照会への対応や追加資料の提出も付議に至るまでの準備作業に含まれる。付議する事項が法令上の諮問義務の対象かどうかを事前に確認し、諮問を欠いた状態での行政処分・計画策定が無効・違法と判断されるリスクを避ける必要がある。
付議記録と議事録管理
付議の経緯・審議の内容・答申の結論は議事録として記録・保存される。情報公開条例に基づき、原則として議事録は公開対象文書となる。審議会の委員が守秘義務を負う場合は、その旨を条例等に規定したうえで運用する必要がある。
付議に際しては「付議書」「付議案」等の様式が定められており、件名・付議内容の要旨・根拠法令・判断を求めたい事項等を記載する。合議体が求める場合には追加の参考資料を提供する。
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