扶助費とは、義務的経費の一区分で、生活保護・児童手当・障害者福祉給付等の社会保障関係法令に基づく現金・現物給付に充てられる経費であり、受給要件を満たした者への給付が法律上義務付けられているため自治体の政策判断による削減が困難な区分である。
扶助費は社会保障給付のうち地方公共団体が負担する部分を指す。主な内容として、生活保護の生活扶助・住宅扶助・医療扶助・介護扶助等(都道府県・市が負担)、子ども・子育て支援給付(保育所・認定こども園への給付、国・都道府県・市区町村の3者で費用を分担)、児童手当(国と地方の分担)、障害者総合支援法に基づく介護給付・訓練等給付、高齢者施設への措置費、児童養護施設への措置費等が含まれる。法律の規定に基づき支給要件を満たす者への給付が義務付けられるため、支出の抑制を行政側の判断のみで図ることはできない。
扶助費の増加は複数の構造的要因によって生じる。高齢化に伴う介護給付費の拡大、障害手帳所持者数・障害福祉サービス利用者数の増加に伴う障害福祉給付費の拡大、子育て支援充実に伴う保育費用の増加がその主な要因であり、これらは制度改正なしに長期的に増加する傾向を持つ。
一般財源への影響
扶助費の多くは国庫負担金の対象となっているが、地方の裏負担も一定割合存在し、その財源として一般財源が充当される。例えば生活保護費は国が4分の3を負担するが、残りの4分の1は自治体の一般財源から充当する。扶助費の増加は一般財源の消費量を押し上げ、他の政策分野への配分可能な財源を圧縮する。財政担当者は扶助費の伸びを毎年度把握し、国庫負担金の確実な申請・精算と地方負担分の財源確保を正確に行うことが義務的経費管理の実務上の要点となる。
社会保障制度改正への対応
社会保障制度の改正(給付対象の拡大・給付単価の変更・負担割合の変更等)は扶助費に直結する。制度改正の情報を早期に把握し、翌年度以降の扶助費への影響を試算して予算見積もりに反映することが財政担当者の重要な実務スキルとなる。国の社会保障審議会・厚生労働省の動向把握、社会福祉担当部門との連携による現場情報の収集が翌年度予算の精度向上につながる。
扶助費の予算管理
扶助費の多くは法定給付であるため、予算現額以上の需要が発生した場合には補正予算での対応が必要となる。生活保護費は申請者数・受給者数の変動が大きく、年度途中で補正を要するケースが生じやすい。財政担当者は福祉担当部門から受給者数・扶助費支出実績の月次報告を受け、年度内の執行見通しを早期に把握する体制を整えることで補正予算の適時の編成と国庫負担金の請求漏れを防ぐ実務管理が必要となる。
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