物件費とは、性質別歳出の区分の一つで、消耗品費・需用費・役務費・委託料・使用料及び賃借料等の経費の総称であり、人件費・補助費等・投資的経費には属さない経常的な物的支出を集めた区分である。
物件費は行政サービスの提供に必要な経常的な物的経費を集めた区分であり、旅費・消耗品費・需用費(光熱水費・修繕費・印刷製本費等)・役務費(通信運搬費・手数料・保険料等)・委託料・使用料及び賃借料・原材料費・備品購入費・負担金(義務的なものを除く)等が含まれる。行政の日常的な運営に必要な「モノとサービスの調達コスト」という性格を持つ区分である。
委託料は物件費の中で最も金額が大きくなりやすい項目であり、清掃・給食調理・施設管理・システム運用・設計業務等の民間委託費が含まれる。定員削減・行政のスリム化によって直営から委託へと業務移管が進む場合、人件費が減少する反面で委託料(物件費)が増加するという構造変化が生じる。光熱水費・通信費等は物価動向の影響を受けるため、エネルギー価格の上昇局面では物件費全体の増加要因となる。
人件費との関係と総コスト管理
行政の運営コストを把握するには人件費と物件費を合わせた視点が有効である。業務の委託化によって「職員人件費が減り委託料が増える」という移行が生じても、サービス提供の総コストが削減されているかどうかは両者を合計して比較しなければ判断できない。物件費の増加要因が単なる価格上昇なのか、業務委託の拡大なのか、新規サービスの追加なのかを区別して把握することが財政管理の実務的な基礎となる。
予算執行管理の実務
物件費の中には年度末に執行が集中する傾向があり、不用額が発生しやすい区分でもある。消耗品・光熱水費等は年度初めに計上した見込みと実績が乖離することがある。財政担当者は四半期ごとの執行状況を確認し、不用額の見込みを早期に把握することで補正財源の確保や翌年度予算見積もりの精度向上につなげる管理が必要となる。委託料については契約締結後に変更契約が生じるケースがあり、変更内容の財政負担への影響を適時に確認することが実務上の要点となる。
物件費の削減余地
行財政改革の側面では物件費の見直しが必要となる場合、委託料の競争入札の徹底・仕様の見直し・業務の効率化・自治体クラウドの活用による情報システムの共同化等が主な取り組みとなる。委託料の単価・数量・仕様を精査し、不必要な仕様の排除や作業量の実態に見合った適正単価への改定を行うことで物件費の削減効果が生まれる。財政担当者は所管課と連携して主要な委託契約の内容を把握し、次年度以降の見直し余地を整理する実務が必要となる。
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