経常経費とは、毎年度継続的に支出される経常的な性格の経費の総称であり、経常収支比率の計算においては人件費・物件費・維持補修費・扶助費・補助費等・公債費・繰出金等の経常的経費を指し、投資的経費や積立金等の非経常的な経費と区別される概念である。
経常経費は地方公共団体の毎年度の財政運営において継続的・反復的に発生する性格の経費を指す概念である。性質別歳出のうち義務的経費(人件費・扶助費・公債費)・物件費・維持補修費・補助費等・繰出金等が経常経費の主要な構成要素となる。これらは年度をまたいで継続的に発生し、行政サービスの基本的な提供に必要な固定的コストとして位置付けられる。投資的経費(普通建設事業費等)・積立金・貸付金・前年度繰上充当金等の非経常的経費とは性格が異なる。
経常収支比率は「経常的な経費に充当した経常一般財源等 ÷ 経常一般財源等」で算出され、財政の弾力性(政策的支出に充てられる余地)を示す主要指標として機能する。この比率の分子に含まれる経費が「経常経費」であり、分母の経常一般財源等に対する経常経費の割合が高いほど財政の弾力性が低い(硬直化している)と評価される。
経常経費と非経常経費の区分
地方財政状況調査では経常収支比率の算定において、各性質別経費のうち「経常的に充当した一般財源等」の部分のみを抽出して集計する。例えば補助費等の中でも毎年度継続的に支出する一部事務組合への分担金は経常的経費に含まれるが、臨時的な補助金は含まれない。また同じ人件費でも総務費の一般管理費に充てた部分は経常的であるが、突発的な採用経費等は非経常的として区別される場合がある。財政担当者は経常収支比率の算定根拠を正確に把握し、前年度との比較・要因分析を行う実務を担う。
経常収支比率の改善策
経常収支比率を改善する方策は経常経費の削減(歳出削減)と経常一般財源等の増加(歳入増加)の二方向から検討される。経常経費の削減では人件費の定員管理・物件費の委託料見直し・補助費等の点検が中心的な取り組みとなる。経常一般財源等の増加では地方税収の拡充・普通交付税の確保が基本であるが、短期的な操作は困難なため中長期的な財政運営の視点が不可欠となる。
経常収支比率への直結
経常経費の中でも物件費・補助費等・繰出金は財政担当者の働きかけによって削減の余地がある経費として位置付けられる。委託料の見直し・一部事務組合分担金の適正化・特別会計への繰出金の縮小等の取り組みは経常収支比率の分子(経常経費充当一般財源等)を減らす効果をもたらす。財政担当者は経常経費の内訳を詳細に把握し、削減余地と削減リスク(サービス水準への影響)を見極めた優先順位付けを行うことで、財政の弾力性回復に向けた実効性ある取り組みを推進する中核的な実務を担う。
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