経常一般財源等とは、一般財源等のうち毎年度経常的に収入される部分の合計であり、経常収支比率の分母として用いられ、地方公共団体の経常的な行政サービスを賄う財源の規模を示すものである。
経常一般財源等は、地方税・普通交付税・地方譲与税・地方特例交付金等のうち、毎年度継続的・安定的に収入される経常的な財源の合計概念である。経常収支比率の算定において分母として使用され、経常的な歳出に充当された一般財源等を分子として除することで、一般財源等のうち経常的な経費に取られている比率を算出する。経常一般財源等の規模は地方公共団体の財政の基礎体力を示し、この規模が大きいほど経常的な行政サービスを賄う財源的な余裕があることを示す。
経常一般財源等の規模が大きいほど、経常収支比率が同じでも経常的な経費に使える絶対額が大きいことを意味する。逆に経常一般財源等が減少すると(例えば経済低迷による税収減・交付税の削減等)、経常収支比率が悪化しやすくなり、財政の弾力性が損なわれる。経常一般財源等の変動要因(税収の季節性・交付税の動向・地方特例交付金の変化)を毎年度把握し、財政指標への影響を見通すことが財政担当者の基本的な業務となる。
経常収支比率との関係
経常収支比率は「経常的な歳出に充当された一般財源等 ÷ 経常一般財源等 × 100(%)」によって計算される。経常一般財源等が増加しても経常的な歳出がそれ以上に増加すれば比率は改善しない。財政の弾力性を確保するためには、経常一般財源等の増加と経常的な歳出(人件費・公債費・扶助費等の義務的経費)の抑制を並行して進めることが財政運営の基本戦略となる。
臨時財政対策債の算入
臨時財政対策債の発行可能額は後年度の交付税措置が約束されているため、地方財政計画において経常一般財源等として算入される場合がある。これにより臨時財政対策債の発行が経常収支比率の分母に影響するため、臨時財政対策債を含む・含まないの計算口を確認したうえで比較分析を行うことが財政分析の精度を高める前提となる。
経常一般財源等の増減は経常収支比率に直接影響するため、税収動向・地方交付税の改定・地方特例交付金の変化を毎年度注視することが財政担当者の基本業務となる。税収が景気連動で変動する法人住民税・法人事業税については、景気サイクルに応じた変動分析が中期財政計画の精度向上に役立つ。人口減少が進む地域では地方税・地方交付税の双方が減少傾向となるため、経常一般財源等が構造的に縮小する中でいかに経常経費を抑制するかが財政管理の長期的な課題となる。経常一般財源等の見通しを5〜10年単位で試算し、長期的な財政収支の均衡維持に必要な対策を財政計画に反映させることが持続可能な財政運営の基盤となる。
ご意見箱(匿名で投稿できます)