地方特例交付金とは、地方税の税制改正等によって地方公共団体の税収が減少した場合に、その減収を補填するために国から交付される交付金であり、住宅借入金等特別税額控除の拡充に伴う個人住民税の減収補塡が代表的な例である。
地方特例交付金は、国の税制改正や政策的な地方税の減税措置によって生じた地方公共団体の税収減少を補填するために創設された財源移転制度である。個人住民税における住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)の拡充によって都道府県・市町村の個人住民税が減収した部分を補填する「住宅借入金等特別控除に係る地方特例交付金」が代表的な例として挙げられる。税制改正に起因する地方税の減収は地方公共団体の財政に直接的な影響を及ぼすため、その補填措置として国が地方特例交付金を設けることで財政への影響を緩和する仕組みが整えられている。
地方特例交付金は一般財源として扱われ、使途が特定されない形で地方公共団体に交付される。住宅ローン控除の適用者数・控除額の規模によって各年度の交付額が変動するため、予算編成時には前年度の実績と国の地方財政計画における見込み額を参考に計上することが実務上の手順となる。住宅着工動向・ローン残高の変化が翌年度の交付額に影響するため、マクロ経済指標も参照した見込み管理が財政担当者の課題となる。
地方財政計画における位置付け
地方特例交付金等は地方財政計画において一般財源の一部として算入されており、地方財政全体の一般財源規模の算定において地方交付税・地方譲与税とともに計上される。経常収支比率等の財政指標の分母となる「一般財源等」にも算入されるため、交付額の変動が財政指標に影響する。交付額が減少する年度は分母が小さくなり財政指標が悪化しやすくなるため、税制改正の動向が財政管理において重要な情報となる。
制度の変遷
地方特例交付金の制度内容は税制改正に連動して変化してきており、住宅ローン控除の適用期間・控除額の上限が変更されるたびに交付金の算定方法も見直されてきた。財政担当者は毎年度の税制改正大綱・地方財政計画の内容を確認し、翌年度の地方特例交付金の見込み額を適切に反映した予算編成を行うことが収支見通しの精度向上につながる。
地方特例交付金の算定には、住宅ローン控除の適用を受けた納税者の控除額データが基礎となる。控除は所得税から先に適用され、所得税で控除しきれなかった残余の部分が翌年度の個人住民税から控除される仕組みとなっているため、個人住民税への影響額が交付の対象となる。財政担当者は住宅着工動向や住宅ローン控除制度の改正内容を把握することで、翌年度の地方特例交付金の変動幅を予測し、予算編成の精度向上に役立てることができる。
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