臨時財政対策債

読み:りんじざいせいたいさくさい

別名:臨財債

臨時財政対策債とは、地方交付税の財源が不足する場合に普通交付税の代替として地方公共団体が発行することを認められた特例的な地方債であり、元利償還費の全額が後年度の地方交付税基準財政需要額に算入されるものである。

この説明はいかがですか?

臨時財政対策債は、2001年度(平成13年度)から導入された制度であり、地方交付税の総額が本来必要な水準に達しない場合に、不足分の一部を地方公共団体が自ら借り入れることで補填する措置として設けられた。本来は国の一般会計から地方交付税特別会計を経由して地方公共団体に交付されるべき財源を、地方公共団体の自己負担(地方債)で代替する仕組みである。臨時財政対策債の発行可能額は総務省が毎年度算定し、各地方公共団体に通知される。

臨時財政対策債の元利償還費(元金返済額+利子)の全額は、後年度の地方交付税基準財政需要額に算入される。これにより交付団体は実質的に元利償還分が交付税で手当てされる形となり、財政負担の実態は通常の地方交付税と同様となる。しかし交付税不交付団体は算入の恩恵を受けられないため、財政力の高い団体にとっては実質的な財政負担となる点が制度上の課題とされている。

地方債残高への影響

臨時財政対策債は発行が認められた年度から後年度にわたって元利償還が続くため、発行を続けると地方債残高が累積する。地方財政全体の臨時財政対策債残高は相当規模に達しており、地方公共団体の将来負担の中で大きな比重を占める。将来負担比率の算定においても臨時財政対策債残高は算入されるが、後年度の交付税算入分として控除される仕組みとなっているため、実質的な負担として計上される額は限定的となる。

制度の課題

臨時財政対策債は地方財政の財源不足を地方債で補填する構造であり、本来交付されるべき財源が将来の交付税措置として先送りされているという批判がある。制度の見直し議論は継続しており、臨時的な措置として導入された名称とは裏腹に、長期にわたって継続される制度となっている。財政担当者は臨時財政対策債の残高と後年度交付税算入見込みを区別して把握し、実質的な財政負担を正確に認識したうえで財政計画を立案することが実務上の基本となる。

臨時財政対策債の発行可能額は毎年度の地方財政計画における交付税総額の確定後に総務省から各地方公共団体に通知される。通知を受けた団体は発行の要否・発行額を判断し、発行した分の元利償還費が後年度の基準財政需要額に算入されることを織り込んだ財政計画を策定することが実務上の基本となる。臨時財政対策債の残高が積み上がると将来の公債費として計上されるが、後年度の交付税算入で実質負担が軽減される構造を理解したうえで、残高の推移と将来の交付税算入見込みを対比させた財政管理を行うことが担当者の継続的な課題となる。

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