特別交付税とは、地方交付税法第15条に基づき地方交付税総額の6パーセントを財源に、普通交付税の算定では捕捉できない特別の財政需要が生じた自治体に対し、毎年度12月および3月の2回に総務大臣が交付額を決定して配分する財政調整制度である。
大規模災害・感染症対応・特殊な行政経費など、普通交付税の算式では反映しきれない特別の財政需要を補填することが目的。算定基準は「特別交付税に関する省令」(昭和51年自治省令第35号)で定め、毎年度の省令改正によって配分項目が調整されるため、確定額の事前見込みが困難な特性がある。
主な算定要因
主な算定項目は4類型。①大規模災害の復旧・復興費、②感染症対応など年度中途に生じた特殊な財政需要、③普通交付税の測定単位対象外の少数・特殊な事業、④不交付団体が行う事業で交付税措置の恩恵を受けられない費用。令和元年東日本台風(台風第19号)では、翌年3月に特別交付税の特例追加配分が実施された。 「特別交付税に関する省令」(昭和51年自治省令第35号)は毎年度改正され、令和5年度省令では地域おこし協力隊の活動経費・過疎地域の維持管理費・高齢者支援の特例経費が算定要因として加えられた。大規模災害が発生した年度は12月交付分に被災団体向け特例措置が組まれ、令和6年能登半島地震では翌年3月に追加配分が実施された。
普通交付税との財政計画上の違い
普通交付税は当初予算時点で概算を見込めるのに対し、特別交付税は3月交付の最終分が確定するまで年度当初には見通せない。このため当初予算では保守的に少なめに見積もり、確定後の増額を3月補正財源とする運用が多い。財政基盤の脆弱な自治体では特別交付税が予算調整弁として機能するケースがある。 当初予算の計上額は、前年度の確定実績(3月交付分)を参考に「前年度比90〜95%」で見込む自治体が多い。確定額が見込みを大幅に上回った場合、3月補正予算で歳入を補正し既定の事業費に充当するか、基金に積み立てる対応が取られる。財政計画の不確実性を最小化するため、特別交付税依存度の高い事業の予算計上は保守的に行うことが財政規律上の実践となる。
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