繰出金とは、一般会計から特別会計(国民健康保険・介護保険・公営企業等)に資金を移転する繰出しとその逆方向の繰入れを指し、会計間の赤字補填や政策的な支援として機能する。
繰出金とは、地方公共団体の一般会計から特別会計または企業会計に対して資金を繰り出す(移転する)際の歳出科目の呼称である。特別会計の赤字補填・政策的な支援・法令に基づく繰出基準の充足等を目的として行われる。逆に特別会計から一般会計へ資金を移す場合を繰入金(または繰入れ)と呼ぶ。
主な繰出し先と繰出基準
一般会計からの主な繰出し先は、国民健康保険特別会計・介護保険特別会計・後期高齢者医療特別会計・簡易水道事業特別会計・下水道事業会計等である。総務省が告示する繰出基準(「地方公営企業及び第3セクター等の経営健全化に係る繰出基準」等)は、一般会計が特別会計に繰り出すことができる項目・算定方法を定めており、基準内繰出しは地方交付税算定上の標準的な財政需要として普通交付税に算入される。基準を超えた繰出し(基準外繰出し)は交付税算定に算入されず、一般財源の支出となるため財政負担が大きくなる。
国民健康保険・介護保険への繰出し
国民健康保険特別会計への繰出しは、保険財政の収支不足を補填する赤字補填的繰出しと、保険料軽減・健康増進事業への政策的繰出しに区分される。高齢化による医療費増加・低所得者の保険料収納不足が継続することで、国民健康保険特別会計への繰出し額は増加傾向にある団体が多い。介護保険特別会計への繰出しは、介護給付費の市区町村負担分(給付費の12.5%)が法定繰出しとして義務づけられている。これらの法定繰出しの財源は一般財源から賄われるため、社会保障費の増大が直接的に一般会計の財政を圧迫する構造となっている。
繰出金の水準管理と財政圧迫
基準外繰出しの累積は一般会計の財政を圧迫し、他の行政サービスへの支出余力を減少させる。繰出金の水準は財政分析・監査の重要な確認事項であり、繰出し先の特別会計・企業会計の自立的な経営改善が繰出金縮減の根本的な解決策となる。料金改定・経営効率化・事業統廃合等を通じた特別会計の経営基盤強化は、一般会計への依存を低減させるための中長期的な課題として自治体財政の最重要テーマの一つとなっている。基準内繰出しは地方交付税算定上で需要額に算入されるが、算入される額の把握と管理は財政担当者の重要な業務の一つである。
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