不用額とは、年度末の決算整理において、歳出予算額のうち翌年度繰越しにもならず実際の支出にも充当されなかった残額で、地方自治法第233条の決算調製の際に確定し当該年度限りで失効する財源である。
不用額の発生要因は主に3類型——①事業の中止・縮小による未執行、②入札落札額が予定価格を下回ったことによる工事費の減額、③補助金・給付金の申請件数が当初見込みを下回ったケース——に大別される。翌年度繰越しとは異なり、不用として確定した後は次年度への引き継ぎが認められない。
翌年度繰越しとの区分
同じ未執行残額でも、繰越明許費(地方自治法第213条)または事故繰越(同法第220条第3項)として議決・承認を得た場合は翌年度の財源に繰り入れられる。不用額はその手続きを経なかった残額で一般財源に戻る。決算審査では不用の理由と次年度予算への反映状況が確認されるため、発生原因を具体的に記録しておくことが監査対応上の実務となる。 不用の確定は出納閉鎖(5月31日)後の決算整理で行われ、決算書の「歳出決算書」に款・項・目・節ごとの不用額が記載される(地方自治法第233条)。監査委員の決算審査では不用理由の妥当性と翌年度予算への反映状況が確認され、理由が不明瞭な場合は意見書に指摘が記載される。
財政運営への影響
入札減少・申請数減少による不用は「予算管理の結果」とも受け取れるため、一律に負の評価とはならない。補助事業の補助率や申請動向の変化が不用額を左右するため、担当課は事業進捗を定期的に把握し、3月補正で他の事業への流用や減額補正を検討するのが実務的対応になる。高水準の不用額が続く場合、翌年度の査定段階での予算削減材料となりうる。
→ 実務手順: 補助金実績報告書で指摘を受けやすいミスと対応方法 大規模な不用額(歳出予算総額の2〜3%超)が複数年度継続する場合は予算見積もりの精度問題として翌年度査定での減額材料となる。一方、国庫補助事業の交付決定遅延や資材費の急騰・下落による不用は担当課の責任に帰しにくいため、原因類型を整理して財政担当課に説明することが予算確保上の実務的対応となる。不用額が財政調整基金への積立て財源として活用できる場合、年度末時点の実績把握が基金運用の精度を高める。
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