財政健全化判断比率とは、地方財政健全化法が定める実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債費比率・将来負担比率の4指標の総称で、自治体財政の健全性を測る法定指標である。
財政健全化判断比率とは、地方公共団体の財政の健全化に関する法律(地方財政健全化法)が規定する4つの財政指標の総称であり、すべての地方公共団体に毎年度の算定・監査委員による審査・議会への報告・公表が義務づけられている。
4指標の定義と役割
①実質赤字比率:一般会計等の実質赤字額の標準財政規模に対する比率。普通会計の収支悪化を示す最も基本的な指標である。②連結実質赤字比率:全会計(一般会計・特別会計・企業会計)を連結した赤字額の比率で、公営企業の経営悪化も含めた財政全体の健全性を測る。③実質公債費比率:元利償還金・準元利償還金の合計額の標準財政規模に対する比率の3か年度平均値であり、地方債の借入制限(許可制への移行)の基準としても機能する。④将来負担比率:地方債残高・債務負担行為・退職手当支給予定額・公社等への負担見込み額等の将来の支払い義務の合計額の標準財政規模に対する比率で、将来世代への負担を示す。
早期健全化基準と財政再生基準
各比率には早期健全化基準と財政再生基準の二段階の閾値が法定されており、段階に応じた対処を要する。実質赤字比率の早期健全化基準は市町村で3.75%〜5%(財政規模により異なる)、財政再生基準は市町村で一律20%とされている。比率が早期健全化基準以上となった場合は財政健全化計画の策定、財政再生基準以上となった場合は財政再生計画の策定と総務大臣の同意が必要となる。将来負担比率には財政再生基準が設けられていないため、早期健全化のみの段階設計となっている。
算定の実務と公表
財政健全化判断比率の算定は財政担当部署が毎年度決算後に行い、監査委員の審査を経てから公表・議会報告を行う。標準財政規模は基準財政需要額に基づき算定されるため、比率の分母(標準財政規模)は地方交付税算定結果と密接に連動する。総務省はすべての自治体の算定結果を公表しており、類似団体との比較分析が財政健全度の相対評価に活用される。算定に際しては地方財政健全化法・地方財政健全化令・総務省告示を参照し、連結対象の会計範囲・債務負担行為の計上方法等について年度ごとの制度変更を確認することが実務上の重要な作業となる。
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