早期健全化基準とは、地方公共団体財政健全化法に基づく財政健全化判断比率(実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債費比率・将来負担比率)のいずれかがこの数値を超えた場合に財政健全化計画の策定が義務付けられる閾値であり、財政再生基準より緩やかな水準に設定されている。
早期健全化基準は地方公共団体財政健全化法(2007年制定)に基づいて設定された4つの財政健全化判断比率ごとの警戒水準である。各比率の早期健全化基準として総務省令で定められている数値は、実質赤字比率(市区町村は標準財政規模比3〜11.25%・都道府県は3.75%)・連結実質赤字比率(市区町村は8〜16.25%・都道府県は8.75%)・実質公債費比率(25%)・将来負担比率(市区町村は350%・都道府県・政令市は400%)である(数値は一般例、規模等により差あり)。
いずれかの比率が早期健全化基準を超えた場合、地方公共団体は「財政健全化団体」となり財政健全化計画の策定が義務付けられる。財政健全化計画は当該比率を早期健全化基準以内に戻すための歳入・歳出の改善方策を定める計画であり、総務大臣・都道府県知事への報告・住民への公表が義務付けられる。
財政再生基準との関係
早期健全化基準を超えてさらに財政状況が悪化し「財政再生基準」(より厳格な閾値)を超えると「財政再生団体」として財政再生計画の策定と国の管理下への移行が義務付けられる。早期健全化基準は財政悪化の早期警戒・自律的な財政再建を促す「黄信号」として位置付けられ、財政再生基準は国による管理を伴う「赤信号」として位置付けられる二段階の仕組みをとる。
財政担当者の実務
財政担当者は毎年度決算後に4つの健全化判断比率を算定し、早期健全化基準との比較を行う。比率の数値が基準に近づいている場合は翌年度以降の推計を行い、超過が見込まれる段階で財政健全化計画の準備に入ることが早期対応の実務的な基本となる。比率の計算においては算定根拠となる統計数値の正確な収集・集計が前提となり、会計課・各所管課との連携による正確なデータ把握が必要となる。
早期健全化の手続き
財政健全化団体(早期健全化基準超)となった場合、地方公共団体は財政健全化計画を策定して議会の議決を経たうえで総務大臣(都道府県経由)に報告し、住民に公表する義務を負う。計画の実施状況は毎年度報告される。財政再生基準を超えると財政再生計画の国の同意・管理が加わり、地方債の新規発行にも制約が生じるため、早期健全化基準の段階での自律的な改善が財政管理の側面では不可欠となる。
財政担当者は早期健全化基準の数値と現在の比率の乖離幅を毎年度報告書に明記し、健全化計画策定の要否を首長・議会に明確に伝えることが財政情報の透明性確保につながる。
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