財政再生基準とは、地方公共団体財政健全化法に基づく財政健全化判断比率のいずれかがこの数値を超えた場合に財政再生計画の策定と国の管理下への移行が義務付けられる閾値であり、早期健全化基準より厳格な水準に設定された財政危機の指標である。
財政再生基準は地方公共団体財政健全化法に基づく4つの財政健全化判断比率(実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債費比率・将来負担比率)に設定された最終警戒水準である。総務省令で定められた数値として実質赤字比率(市区町村は20〜35%・都道府県は5%)・連結実質赤字比率(市区町村は30〜45%・都道府県は15%)・実質公債費比率(35%)が財政再生基準として定められている(将来負担比率には財政再生基準が設定されていない)。いずれかの比率がこの基準を超えると当該地方公共団体は「財政再生団体」となる。
財政再生団体となると財政再生計画の策定が義務付けられ、計画の実施について総務大臣の同意を得ることが法律上義務付けられる。また地方債の発行には総務大臣の許可が必要となり、国の管理のもとで財政再建を進める体制に置かれる。財政再生計画は単年度では解消できない財政危機を複数年度かけて改善するための計画であり、計画期間中の歳入・歳出の具体的な改善策を定める。
夕張市の事例
財政再生団体として知られる事例として北海道夕張市がある。夕張市は2007年(平成19年)に財政再建準用団体(現行制度の財政再生団体に相当)となり、財政再建計画(財政再生計画)のもとで国・道・金融機関等の支援を受けながら財政再建を進めた。夕張市の事例は全国の地方公共団体の財政担当者に財政健全化法の重要性を改めて認識させる契機となった。
財政再生基準を意識した財政運営
財政再生基準は早期健全化基準を大幅に超えた深刻な財政状況を示す指標であり、これを超える前に早期健全化基準の段階で自律的な財政改善を図ることが地方公共団体の財政管理の基本姿勢となる。財政担当者は健全化判断比率の推計において財政再生基準との乖離幅を常に把握し、財政悪化のリスクを首長・議会・住民に適時に説明することが財政情報の透明性確保の実務的な責務となる。
財政再生の実務
財政再生団体となった場合、財政再生計画の策定・国の同意取得・計画の公表・毎年度の報告が義務付けられる。また地方債の発行には総務大臣の許可が必要となり、投資的事業の制約が生じる。財政再生計画の達成のために歳入拡大(固定資産税等の税収確保・使用料・手数料の見直し)と歳出削減(人件費・公共事業費の削減)を組み合わせた複数年度の取り組みが必要であり、財政担当者は計画の策定・実施・進捗管理の全てに深く関与する。
ご意見箱(匿名で投稿できます)