経営健全化基準とは、地方公共団体財政健全化法に基づき公営企業の資金不足比率がこの水準(20%)を超えた場合に経営健全化計画の策定が義務付けられる閾値であり、公営企業の経営危機を早期に把握して自律的な改善を促すための指標として機能する。
経営健全化基準は地方公共団体財政健全化法に基づき、公営企業の資金不足比率に設定された警戒水準である。現行の基準値は20%であり、資金不足比率がこの数値を超えると当該公営企業は「経営健全化団体(の公営企業)」となり経営健全化計画の策定が義務付けられる。経営健全化基準は公営企業ごとに判定されるため、同じ地方公共団体の水道事業と下水道事業でそれぞれ独立して判定が行われる。
経営健全化基準の水準(20%)は料金収入等の事業規模の20%に相当する資金不足が生じている状態を示しており、この水準を超える資金不足は公営企業の通常の経営では解消困難な深刻な財政危機として位置付けられる。経営健全化基準を超えない段階でも、比率が上昇傾向にある場合は経営改善に早期に着手することが経営の持続可能性の確保につながる。
経営健全化計画の内容
経営健全化基準を超えた場合に策定が義務付けられる経営健全化計画は、資金不足比率を経営健全化基準以内に改善するための方策を記載した計画であり、計画期間・改善目標・具体的な収支改善策等を定める。計画は総務大臣(都道府県は通じて)に報告され、議会への報告・住民への公表が義務付けられる。収支改善策としては料金改定・経費削減・一般会計支援の見直し等が検討される。
一般会計への影響
公営企業の経営健全化計画策定に当たり、一般会計からの追加繰入支援を行う場合は一般会計財政への影響も生じる。財政担当者は経営健全化計画の内容・一般会計の支援策・支援期間等を把握し、一般会計の財政計画への影響を分析して首長・議会への説明に備える実務を担う。公営企業の経営危機は最終的に一般会計財政に波及するリスクがあるため、公営企業の経営状況の早期把握と連携した対応が財政管理の実務上の重要課題となる。
基準超えを未然防止する視点
経営健全化基準(20%)の超えを回避するためには、資金不足比率の推移を毎年度把握して悪化傾向を早期に検知することが財政管理上不可欠である。比率が上昇傾向にある場合は経営悪化の原因分析(収益的収支の赤字の拡大・資本的支出の増加・不採算部門の存続等)を行い、料金改定・経費削減・一般会計支援等の改善策を事前に実施することで基準超えを未然に防ぐことができる。財政担当者は公営企業の資金不足比率を財政健全化法上の指標として定期的に確認し、早期に必要な対応策を公営企業担当部門と連携して講じることが実務的な財政リスク管理となる。
ご意見箱(匿名で投稿できます)