公営企業会計

読み:こうえいきぎょうかいけい

公営企業会計とは、地方公営企業が採用する会計制度であり、複式簿記・発生主義会計を基本として民間企業の会計に準じた形で収益・費用・資産・負債を管理し、経営状況の実態を財務諸表によって明確に示すものである。

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公営企業会計は、地方公営企業法第20条以下に基づく会計制度であり、一般の地方公共団体予算決算で使われる現金主義・単式簿記の官庁会計とは異なり、企業会計の考え方を採用している。貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッシュ・フロー計算書等の財務諸表を作成することで、企業の経営状況を財務的に透明に示す仕組みとなっている。地方公営企業法の当然適用事業(水道・工業用水道・交通・電気・ガス・病院)については公営企業会計の適用が義務付けられている。

公営企業会計では、資産の減価償却(資本的支出の当期費用化)・引当金の設定・受益者負担の原則等、企業会計特有の概念が適用される。この結果、建設費の減価償却が毎期の費用として計上されるため、キャッシュベースではなく発生主義ベースで経営状況を把握できる。官庁会計との会計基準の違いが、一般会計と公営企業会計の数値を単純比較する際の注意点となる。公営企業会計を採用する事業では、中長期の財務計画においても減価償却費・企業債の元利償還等の将来費用を踏まえた計画立案が前提となる。

経営分析指標

公営企業会計を採用する事業では、経常収支比率(営業収益に対する費用の比率)・企業債残高対料金収入比率・有形固定資産減価償却率等の経営分析指標が用いられる。地方公共団体財政健全化法に基づく「資金不足比率」は公営企業会計を採用する事業を対象とした健全化指標であり、比率が一定基準を超えた場合は経営健全化計画の策定が義務付けられる。

繰出金と内部補助

公営企業会計の事業が独立採算を原則としながらも、過去の施設整備に係る企業債の元利償還・不採算路線の維持等については一般会計から繰出金が補填される。繰出金の算定基準は総務省が定める繰出基準に基づき、基準に即した繰出は財政分析上も許容される措置として扱われる。繰出超過となっている事業では、料金改定・広域化・PFI導入等の経営改善策を検討することが財政の持続可能性を維持する実務的な対応となる。公営企業会計は一般会計との区分を明確にすることで企業の経営状況を独立して把握する仕組みであるが、一般会計からの繰出金の状況を定期的に確認することで、普通会計への財政的な影響を継続的に評価することが両会計を一体的に管理するうえで不可欠となる。公営企業会計を採用する事業の担当者は、決算書の構成と主要な財務指標の読み方を習得したうえで、経営の実態を正確に把握する財務管理能力の習得が実務上不可欠となっている。

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