資本収支

読み:しほんしゅうし

別名:資本的収支

資本収支とは、地方公営企業における資本的収入と資本的支出の差額であり、施設の建設・更新・企業債の償還等に係る収支を示す概念で、資本的収支は通常赤字となり企業債発行・補助金・損益勘定留保資金等によって補填される。

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資本収支(資本的収支)は地方公営企業の設備投資・企業債の償還等に関わる収入と支出の差額である。資本的収入は企業債(設備投資のための借入)・国庫補助金一般会計繰入金(建設改良費等)・固定資産売却代金等から構成される。資本的支出は建設改良費(施設の新設・増設・改良工事等)・企業債の元金償還金・固定資産の購入費等から構成される。資本的収支は建設改良費等の規模が大きいため通常は赤字(支出超過)となり、不足する財源は損益勘定留保資金(減価償却費等から積み上げた内部留保)・一般会計補助金・消費税資本的収支調整額等によって補填される。

資本的収支の赤字は経営上の問題を直接示すものではなく、インフラ整備・更新のための投資活動から生じる構造的な赤字として位置付けられる。しかし補填財源が確保できない場合や企業債の発行残高が過大になる場合は経営の持続可能性に影響するリスクがある。

資本的収支の補填財源

損益勘定留保資金は収益的収支で計上される減価償却費(資金の流出を伴わない費用)等から内部的に留保された資金であり、資本的収支の不足財源として活用できる。これが不足する場合は一般会計からの補助(繰入金)・企業債の追加発行・過年度分の剰余金等で補填する。財政担当者は公営企業の資本的収支の補填計画を確認し、一般会計からの繰入予定額を把握して財政計画に反映することが必要となる。

更新需要と資本収支の変動

水道・下水道管路・処理施設等の老朽化した公共インフラの更新時期には資本的支出(建設改良費)が大幅に増加し、資本収支の赤字幅が拡大する。更新投資の財源として企業債の発行が増加すると、将来の元金償還金(資本的支出)も増大するため、中長期的な資本的収支の見通しを立てることが公営企業の財務管理の基礎となる。料金改定による収益的収入の増加と資本的収支のバランスを長期的視野で管理することが公営企業の持続可能な経営の前提条件となる。

資本収支と料金の関係

老朽化施設の更新期には資本的支出が増大し資本収支の赤字幅が拡大する。更新投資のための企業債の発行が増加すると将来の元金償還負担(資本的支出)が増大するため、料金改定によって収益的収入を増やし内部留保(損益勘定留保資金)を確保することが長期的な資本収支の改善に必要となる。財政担当者は公営企業の資本的収支の中期見通しを把握し、一般会計からの資本的繰入の規模・時期を財政計画に適切に組み込む実務上の調整役を担う。

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