起債許可とは、地方財政法第5条の4に基づき、実質公債費比率が18パーセント以上の地方公共団体が地方債を発行する際に都道府県知事または総務大臣の許可を事前に受けなければならない制度で、2006年度の協議制移行後も存続する例外的な規制である。
2006年度(平成18年度)の地方財政法改正で地方債発行手続は原則として「事前協議制」(同法第5条の3)に移行したが、実質公債費比率18パーセント以上の自治体(許可団体)は引き続き許可が必要で、起債許可はその残存制度として機能する。
協議制と許可制の区分
実質公債費比率が18パーセント未満の自治体は協議制の適用を受け、総務大臣または都道府県知事と協議した上で地方債を発行できる。協議不調(同意なし)でも発行自体は可能だが、議会への報告義務が生じる(同法第5条の3第6項)。比率18パーセント以上25パーセント未満が許可団体、25パーセント以上になると起債制限がさらに強化される段階になる。 実質公債費比率が18パーセント以上25パーセント未満の許可団体は「第2条第1項許可団体」、25パーセント以上は「起債制限段階」に区分され、後者は起債対象事業がさらに限定される。令和5年度時点で全市区町村のうち許可団体数は約70団体程度まで縮減しており、平成の財政再建期(200団体超)と比べ大幅に改善している。
実質公債費比率の算定と復帰
実質公債費比率は、元利償還金・準元利償還金の標準財政規模に対する割合を過去3年度分の平均値で計算する(地方財政法施行令等に基づく算定式)。比率の改善には起債残高の抑制・繰上償還・標準財政規模の拡大が有効だが、財政力の弱い自治体では繰上償還財源の確保自体が困難になる。許可団体から協議団体への復帰には比率の継続改善と都道府県知事の確認が必要。 算定式の分子(元利償還金等)には水道・病院等の公営企業債の繰出金や一部事務組合への負担金も加算されるため、「見えない借金」の把握が実質公債費比率の適正管理のポイントとなる。許可団体から協議団体への復帰後も過去3年度平均が基準となるため、比率の継続改善が2〜3年後の復帰を左右する。地方財政再生法(平成19年法律第94号)の財政再生基準(実質赤字比率・連結実質赤字比率等)との関係も踏まえた総合的な財政管理が求められる。
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