地方公営事業会計

読み:ちほうこうえいじぎょうかいけい

地方公営事業会計とは、地方財政統計において地方公営企業会計・交通・病院等の企業的性格の事業に係る会計の総称であり、一般会計・普通会計と対比して用いられる統計上の区分である。

この説明はいかがですか?

地方公営事業会計は、地方財政状況調査(地方財政白書)等の統計資料において、地方公共団体が実施する企業的事業の会計を一括してとらえる区分として用いられる。地方公営企業法が適用される事業の会計(水道・病院・交通等)を中心に、法非適用の企業的事業の会計も含めて統計上の「地方公営事業会計」として集計される。一般会計普通会計が地方公共団体の標準的な行政サービス全体を示すのに対し、地方公営事業会計は企業的性格の事業を独立してとらえる区分として機能する。

地方公営事業会計に属する事業は独立採算の原則のもとで運営されることが基本であり、利用料金収入によって事業費を賄うことが基本とされる。ただし、建設改良費・過去の企業債の元利償還等について、一般会計からの繰出金で補填することが認められている事(繰出基準)が定められており、繰出金は一般会計の歳出において公営企業会計補助の費として計上される。繰出基準の範囲内での繰出は財政分析上も適正な補填として扱われる。

公営企業会計との関係

「地方公営事業会計」は統計上の広義の区分であるのに対し、「公営企業会計」は地方公営企業法が適用される事業が採用する会計基準・制度を指す場合が多い。公営企業会計は複式簿記・発生主義会計を採用しており、一般会計の単式簿記・現金主義とは会計処理の方式が異なる。この違いが、地方公営事業会計の財務データを一般会計の財務データと比較する際の注意点となる。

財政統計における集計

地方財政状況調査では、普通会計と地方公営事業会計を合算した「全会計」の財政規模が把握され、地方公共団体全体の財政状況の包括的な分析に活用される。地方公営事業会計の経営状況の悪化は将来負担比率等の指標に影響するため、普通会計と一体的に管理することが財政健全化の実務上の基本となる。地方公営事業会計の決算額は地方財政白書において都道府県別・事業別に集計・公表されており、全国の公営企業の財政状況を横断的に把握するための統計として活用されている。地方公共団体は地方公営事業会計の赤字が拡大した場合、その要因分析と改善策の策定を行い、住民への説明と経営健全化の取り組みを並行して進めることが行政上の責任となる。独立採算の原則と公共サービスの維持という二つの要請を両立させる経営の仕組みを継続的に整備することが、地方公営事業会計を持続可能に運営するうえでの課題となる。

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