市街化区域とは、都市計画法第7条第2項に基づき、すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域として都市計画で定められた区域である。
都市計画区域を「市街化区域」「市街化調整区域」「非線引き区域」に区分する線引き制度(都市計画法第7条)の中核概念で、市街化区域内では用途地域が必ず定められる(同法第13条第1項第7号)。農地転用の許可が原則不要となり(農地法第4条第6項第1号)、開発行為の許可基準も調整区域より緩やかに設定される。
市街化区域内の規制
市街化区域内では用途地域(第1種低層住居専用地域〜商業地域・工業地域等13種類)が定められ、建築物の用途・規模・形態が規制される。固定資産税の住宅用地特例が適用されるほか、都市計画税の課税対象となる(地方税法第702条)ため、市街化区域の指定は税負担に直接影響する。下水道・都市公園・道路等の都市基盤整備は市街化区域内を優先して行う計画が立てられる。 市街化区域内の農地は「宅地並み課税」の対象となり、固定資産税・都市計画税が農地課税より高くなる。農業委員会の転用許可が不要な一方、相続後も農業を続けるかどうかの判断が税負担に直結するため、農地所有者の権利意識と都市計画行政の接点として問題が生じやすい。
線引き変更の手続き
市街化区域の変更(拡大・縮小)は都道府県が都市計画決定手続き(公聴会・縦覧・都市計画審議会の議を経る)を経て行う(都市計画法第19条・第20条)。区域拡大に伴い農地が市街化区域に編入されると農地転用許可が不要となる反面、都市計画税の賦課が始まり地権者の負担増となる。市区町村は「立地適正化計画」の策定で市街化区域内のコンパクトな市街地誘導を図る取組みが全国的に進んでいる。
市街化調整区域との対比
市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域で(第7条第3項)、開発許可基準が厳しく農林業施設以外の建築が原則制限される。市街化区域の境界線(「線引き」)は開発圧力・人口動態・インフラ整備状況を踏まえて概ね5〜10年ごとに見直しが検討される。
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