用途地域とは、都市計画法第8条第1項第1号に基づく地域地区で、住居・商業・工業など13種類に分類して土地利用の用途・形態を規制し、都市の秩序ある整備と環境保全を図る制度である。
都市計画区域内の市街化区域には用途地域を必ず定めなければならず(都市計画法第13条第1項)、市街化調整区域には原則として定めない。用途地域は建築基準法の建蔽率・容積率・建築物の種類制限と連動し、地域ごとに許容される建築物の種類・規模が決まる。
13種類の用途地域
2018年(平成30年)の都市計画法改正で「田園住居地域」が新設され、現行13種類(第一・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、第一・第二種中高層住居専用地域、第一・第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域)となった。住居系8種類は周辺環境の保護を優先し、商業系2種類は利便性、工業系3種類は生産活動の確保を重視する。 田園住居地域は農地と調和した低層住宅環境を保全する地域で、農産物直売所・農家レストラン等は建設可能だが工場や大型店舗は制限される。各用途地域の建築制限は建築基準法別表第二に一覧化されており、特定行政庁が別途制限を付加できる「特定用途制限地域」(都市計画法第9条第15項)との組み合わせ運用も増えている。
都市計画決定の権限と変更手続
用途地域の都市計画決定は市区町村が行い(同法第15条)、変更は都市計画審議会への付議を経て決定される。住民縦覧・意見書提出(30日間)の機会が保障される(同法第17条)。用途変更の申請制度は法律上存在しないが、地区計画・街づくり協定と組み合わせた柔軟な運用を行う自治体もある。 市区町村マスタープラン(都市計画法第18条の2・市町村の都市計画に関する基本方針)に基づき用途地域変更の方向性を示した後に都市計画審議会へ付議するのが標準的な手順で、審議会委員には学識経験者・住民代表・関係行政機関代表が含まれる(都市計画法第77条の2)。国土利用計画法・農地法・港湾法等の他法令との調整も変更手続に付随する場合がある。
実務上の照会対応
建築確認前に用途地域を確認する問合せは都市計画窓口で日常的に発生する。建物の用途が制限に適合するかは、建築基準法別表第二で用途地域ごとに建てられる建築物・建てられない建築物が明示されており、担当者はこれを基に判断する。複数の用途地域にまたがる敷地では各地域の面積割合に応じた按分計算または主用途・従用途の考え方で判断する(建築基準法第91条)。 「この土地に倉庫は建てられるか」「コンビニは問題ないか」等の問合せは建築基準法別表第二と用途地域の組み合わせで判断する。第一種低層住居専用地域では兼用住宅(事務所・店舗部分が50平方メートル以下かつ住宅以外の部分が2分の1未満)のみ認められ、独立した店舗は不可。相談窓口では都市計画概要図・建築物用途一覧の配布または電子閲覧システムの案内が対応の効率化につながる。
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