社会福祉法人とは、社会福祉法第22条に基づき設立される非営利の法人であり、老人福祉・障害者福祉・保育等の社会福祉事業を非営利・公益の原則のもとで継続的に実施することを目的とする。特別養護老人ホーム・認可保育所等の第一種社会福祉事業の経営主体として位置付けられる。
社会福祉法人は、株式会社・NPO法人と異なり、社会福祉法に基づく厳格な設立認可・財務規制・行政関与のもとに置かれる。都道府県・政令市・中核市がほとんどの社会福祉法人の所轄庁となり、設立認可・事業の変更認可・計算書類の受理・指導監査を行う。設立にあたっては一定の基本財産(土地・建物等)の確保と理事会の組成が必要であり、所轄庁への認可申請手続きが必要となる。
公益性と財務規制
社会福祉法人は①法人税・固定資産税等の税制優遇(公益事業に対する非課税・軽減)と②社会福祉施設整備補助金の受給資格を持つ。その反面、剰余金の配当禁止、解散時の残余財産の国・地方公共団体または社会福祉法人等への帰属義務、役員報酬基準・資産の管理に関する厳格な規制に服する。
2016年社会福祉法改正と経営の透明化
平成28年(2016年)改正では、経営の透明化・ガバナンス強化・社会福祉充実計画の策定義務が盛り込まれた。一定規模以上の社会福祉法人は「社会福祉充実残額」(内部留保のうち事業継続に必要な額を超える部分)を地域の未充足ニーズへの事業展開に充てることが義務付けられた。財務諸表・現況報告書のインターネット公表も義務化され、透明性の確保が図られた。
市区町村との関係
市区町村は公立保育所の民営化(社会福祉法人等への移管)・特別養護老人ホームの整備計画調整(老人福祉計画・介護保険事業計画への位置付け)等を担う。指定管理者制度の下では市区町村が社会福祉法人を公の施設の管理者に指定する場合もある。所轄庁である都道府県・政令市等は定期的な指導監査によって法人運営の適正化を図っており、重大な法令違反には改善命令・事業停止命令等の行政処分が行われる。
指導監査の仕組み
所轄庁(都道府県・政令市・中核市等)は社会福祉法人に対して定期的な指導監査(実地検査)を行う義務がある。指導監査では、法人運営・財務・サービスの質・人員配置等が確認される。指導監査の結果として「改善通知」「改善勧告」「業務停止命令」「役員解任命令」「解散命令」等の措置が取られることがある。大規模な不正事案(横領・会計操作等)が発覚した場合には刑事告発につながる場合もある。
社会福祉法人が行う福祉サービスの第三者評価(福祉サービス第三者評価機構による評価)の受審を定期的に行うことが推奨されており、特別養護老人ホーム・認可保育所等では都道府県の指導のもと受審が促進されている。評価結果は公表されるため、利用者・家族が施設選択の参考にできる。
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