認可とは、私人間の法律行為に行政庁が同意を与えることで当該行為に法律上の効力を完成させる行政行為であり、許可とは異なり一般的禁止の解除ではなく効力補充を目的とする。
定義と許可との違い
認可とは、私人間の法律行為(契約・合併・定款変更等)に行政庁が同意(認可)を与えることで、その法律行為に完全な法律効果を付与する行政行為である。許可が一般的禁止を個別に解除するのに対し、認可は当事者の意思表示によって既に成立しているが効力が留保されている行為を補充・完成させる点で本質的に異なる。認可を受けずに行った行為は無効(認可前の効力不発生)または取消可能とされる場合が多い。認可と許可の混同は法的性格の誤解につながるため、根拠法令における当該行政行為の性質を正確に把握することが法務実務の基本となる。
認可の実例
認可が適用される典型的な場面として、地方公共団体の設置する地方道路公社の設立定款認可・農業協同組合の合併認可・会社の事業譲渡の認可・公益財団法人の定款変更認可等がある。金融分野では銀行の営業譲渡・保険会社の合併等も認可の対象とされ、行政が事前審査を通じて市場秩序と利害関係者保護を図る。自治体関係では土地改良区の定款変更認可・地方独立行政法人の中期計画認可等が実務上頻出の認可事例である。認可申請を受理した行政庁は法令上の要件を審査し、要件充足が確認された場合に認可処分を行うことで申請に係る法律行為が効力を生ずる仕組みとなっている。
認可と許可・免許の比較
行政行為の類型として許可・認可・免許・特許の区別が行政法学上論じられる。許可は一般的禁止の解除(建設業・飲食店等)、認可は法律行為の効力補充(合併・定款変更等)、免許は排他的権利の設定(医師・弁護士の資格等)、特許は新たな権利・地位の設定(河川占用許可・鉱業権設定等)と整理されることが多い。実定法上の名称は必ずしも学問上の分類と一致しないため、法令の条文・趣旨に照らして個別に認可の法的性格を確認することが重要である。
自治体の実務
自治体が認可を行う場合は根拠法令・認可要件・申請書類・審査基準・処理期限を条例・規則・要綱で整備する。認可申請の審査にあたっては申請書類の形式審査にとどまらず、法令上の認可要件(公益性・財務健全性・定款内容の適法性等)の実質審査を行う。認可を拒否する場合は行政手続法第8条に基づく理由の提示が必要であり、申請者が審査請求や取消訴訟を提起できるよう教示義務(行政不服申立法第82条)も果たさなければならない。
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