行政手続法

読み:ぎょうせいてつづきほう

行政手続法とは、処分・行政指導・届出・意見公募手続・計画策定手続の共通ルールを定めた法律(平成5年法律第88号)であり、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図る。

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1993年(平成5年)に制定され1994年(平成6年)10月に施行された。それまで個別法ごとにばらばらだった行政手続を統一し、相手方の予測可能性と参加機会を保障することで行政への信頼を高めることを立法的とする。地方公共団体の機関は第3条第3により同法の直接適用を受けないが、地方自治法及び各都道府県・市区町村が制定する行政手続条例によって同等の手続が課されている。 2014年(平成26年)改正(法律第70号)では行政指導の中止申出制度(第36条の3)と処分等の求め(第36条の3の2)が追加され、市民側から行政指導の適法性を問い直す手段が拡充された。

主な規律内容

処分手続として、申請に対する処分(第5〜第11条)では審査基準の設定・公表義務、標準処理期間の設定・公表の努力義務が定められる。不利益処分(第12〜第31条)では処分基準の設定・公表努力義務に加え、聴聞または弁明の機会の付与が義務付けられる。行政指導(第32〜第36条の3)については任意性の確保・書面交付義務・不利益取扱い禁止が規定される。 届出(第37条)は形式上の要件を備えていれば到達時点で法律上の効果が発生することが明確化された。意見公募手続(第38〜第45条)はパブリックコメントの共通手続として2005年(平成17年)改正で追加され、命令等(政令・省令等)の制定改廃の際に国民から意見を募ることが義務付けられた。

自治体の行政手続条例との関係

地方公共団体は行政手続法の趣旨にのっとり、固有の行政手続を定める条例(行政手続条例)を制定できる(第46条)。多くの都道府県・市区町村が条例を制定しており、審査基準・処分基準・標準処理期間の設定方法や、聴聞・弁明手続の細目を定めている。条例が法律の規律より手厚い場合は条例が優先して適用される。 自治体の行政手続条例は法律と同様の5章構成(処分・行政指導・届出・意見公募・計画策定)が多いが、独自に「苦情申出制度」「行政手続審査機関への諮問制度」を設ける自治体もある。担当職員は自団体の条例の規定が国の行政手続法と異なる部分を把握しておくことが不可欠である。

実務上の重要ポイント

処分理由の付記(第14条)は不利益処分に際して義務付けられており、理由が不十分な場合は処分自体が違法となり得る(最高裁判例)。標準処理期間の公表は努力義務にとどまるが、未設定・未公表は市民からの苦情・情報公開請求の対象となりやすい。行政指導の際に相手方が書面交付を求めた場合(第35条)には必ず書面を交付する義務があり、口頭指導のみで終わらせることは違法リスクを伴う。

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