聴聞とは、行政手続法第13条第1項に基づき、行政機関が名あて人に許認可の取消しなど重大な不利益処分をする前に、当事者の意見陳述・証拠提出の機会を保障する事前手続である。
弁明の機会の付与(行政手続法第29条以下)と並ぶ不利益処分前の手続だが、聴聞はより手厚い保護を与える。主宰者の指定・期日通知・当事者の陳述・調書作成の一連のプロセスを経て、行政機関は調書・報告書に「十分な考慮を払って」処分の決定を行わなければならない(同法第26条)。
聴聞が必要な処分の範囲
行政手続法第13条第1項は、①許認可等の取消しとなる不利益処分、②資格または地位を直接にはく奪する処分、③法人の役員解任命令処分、④行政機関が特に必要と認める処分の4類型で聴聞の実施を義務付ける。名あて人の所在不明・差し迫った必要性等(同条第2項各号)に該当する場合は例外として省略できる。 例外として省略が認められる場合(第13条第2項)は、①所在不明の名あて人への公示送達が必要なとき、②名あて人の所在が確知できないとき、③緊急に公益上の危害防止措置をとる必要があり聴聞を行う暇がないとき等に限定されており、緊急性の判断には慎重さが求められる。
手続の流れ
行政機関は聴聞期日の10日前までに、①予定される処分の内容・根拠法令、②処分原因となる事実、③聴聞の期日・場所を書面で通知しなければならない(第15条第1項)。当事者は期日に意見陳述・証拠書類の提出・主宰者への質問申立てができる(第20条・第21条)。主宰者は終結後に調書と報告書を作成し(第24条・第25条)、行政機関はこれを踏まえて処分の可否を決定する。 期日通知は通常2〜3週間前に発送し、名あて人が複数いる場合は全員に個別通知する。行政機関は通知後に証拠書類等を相手方の閲覧に供する義務も負う(第18条)。主宰者の中立性が手続の正当性を担保するため、処分に関与した職員の主宰者指定は認められない。
実務上の留意点
建設業法・宅地建物取引業法・廃棄物処理法等に基づく許可取消しで聴聞が行われるケースが多い。主宰者には処分に関与していない職員を指定する必要があり、小規模庁では担当者確保が課題になる。弁護士等代理人の出席が認められ(第16条)、複雑な事案では法務担当との連携が不可欠となる。 聴聞主宰者の選定基準や代理人弁護士との事前調整の手順は各自治体の聴聞手続規則(または行政手続条例)で定める場合が多い。建設業法第29条や宅建業法第66条など個別法の聴聞規定は行政手続法の特例となるため、根拠法令ごとの手続確認が不可欠だ。処分後の審査請求の提起期間(3か月)が聴聞調書の作成完了日から始まる点も担当者が確認すべき時系列上の節目となる。
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