公示

読み:こうじ

公示とは、行政機関が一定の事実・決定・手続きの開始を官報・公報・掲示板・ウェブサイト等の手段で広く一般に知らせる行為の総称であり、法令に定める告示とは異なり特定の法形式を持たない行政上の通知行為を広く指す概念として実務で用いられるものである。

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公示は法令上の特定の形式を持つ「告示」とは概念上区別される。告示は地方自治法第16条等に根拠を持つ地方公共団体の正式な意思表示形式であるのに対し、公示は広告・周知・通知行為全般を指す広義の概念として法令外でも用いられる。入札手続きでは「入札公告」が公示の典型例であり、入札公告を「公示」と呼ぶ慣行が実務では見られる。入札契約適正化法上の手続きでは一般競争入札の実施を事前に広く周知することが義務付けられており、この周知行為の総称として「公示」が使われる場面が多い。「公示送達」という場合は、住所不明の相手方への訴訟書類を掲示板等に掲示して送達したとみなす特殊な法的手続きを指すものであり、一般的な公示とは別概念である。

告示との比較

告示は地方自治法等の根拠規定に基づき公報への掲載・掲示板への掲示等の正式手続きを経た法的効果を持つ行為であるのに対し、公示はこうした形式的要件を必ずしも要さない広義の周知行為を指す。入札においては入札公告(告示または公示の形をとる)と契約結果の公示(結果の公表)の両面があり、どちらも公示という言葉で表現されることがある。告示が自治体の意思決定としての法的効力を発生させる行為であるのに対し、公示は周知・広報としての機能を持つが法的形式としての拘束性を持たない場合が多い。この区別は、行政事件訴訟や情報公開請求において周知行為の法的性格が問われる場面で重要になる。

入札手続きにおける公示期間の確保

一般競争入札では入札公告から入札執行日までの公示期間を一定日数確保することが各機関の規則で定められており、国では会計法施行令第74条等が公示期間の最低日数を規定している。公示期間が短いと参加業者が積算・準備を行う時間が確保できず、参加率の低下や不調の原因となることがある。電子入札の普及により公示そのものがウェブサイトへの掲載で完結する場合が増えており、従来の掲示板や官報掲載に加えて電子的公示が標準化している。WTO政府調達協定の適用案件では日本語のほか国際的に閲覧可能な形での公示が義務付けられており、国際入札においては公示の媒体と言語の要件が通常の入札と異なる点に留意が必要となる。公示の実施を怠った場合、競争参加機会の不公正な制限として入札結果の有効性が問われる可能性があるため、公示手続きの確実な実施と記録保管は発注担当者の基本的な責務である。

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