処分基準とは、行政手続法第12条に基づき、不利益処分を行う行政庁が処分の種類・程度の決定に用いる基準として設定に努め公表に努めるべきものである。
行政手続法第12条は不利益処分に係る処分基準について、「定めるよう努めるとともに(中略)これを公にしておくよう努めなければならない」と規定する。審査基準が義務設定・義務公表であるのに対し、処分基準は努力義務である点が異なる。処分基準の典型は、許認可等の取消し・業務停止・過料・指定取消し等の不利益処分の際に、違反の程度・回数・態様に応じて処分の種類・期間等を段階的に定めた表形式のマトリクスである。
処分基準の法的性格と設定の意義
処分基準は審査基準と同様に行政規則であり、法的拘束力は行政機関内部にとどまる。しかし、公表された処分基準からの逸脱処分は裁量権の逸脱・濫用として違法となり得る(最高裁判決)。努力義務にとどまるため未設定・未公表であっても直ちに違法とはならないが、恣意的な処分を抑制し、処分の一貫性・予測可能性を確保するためには設定・公表が強く望まれる。 廃棄物処理法・食品衛生法・建設業法等の許認可取消しを頻繁に行う担当部門では、個別法の行政処分の基準(国が定める標準指針等)を参考に自治体独自の処分基準を制定している例が多い。
実務上の留意点
処分基準の設定は行政手続条例に基づく条例上の義務とされている自治体も存在し、その場合は義務的な設定・公表が求められる。処分基準を設定した場合は、担当部署の裁量判断がこれに拘束されるため、軽微な違反に対して不相当に重い処分を行うことは違法評価につながる。一方、処分基準の下限・上限の幅を広くとりすぎると恣意防止機能が低下するため、基準の具体性とのバランスが重要である。改訂の際は古い基準が適用されないよう庁内への周知徹底も必要である。
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