自主防災組織とは、住民が自らの地域を守るために自発的に結成する防災組織であり、「自分たちの地域は自分たちで守る」という共助の理念に基づき、平時の防災活動と災害時の初期対応を担う。
災害対策基本法第5条第2項は市区町村がコミュニティの確保と住民の自主的な防災活動への支援を行う責務を定めており、自主防災組織はこの共助の実践主体として位置づけられる。自治会・町内会単位で結成されることが多く、消火器の使用訓練・避難所運営の補助・安否確認・要配慮者の避難支援等を担う。令和4年の全国の組織率は約84.9%(消防庁)だが、活動の実質化(形骸化した組織)が全国的な課題だ。
活動内容と平時の備え
主な活動は①訓練(避難訓練・消火訓練・救急・応急手当訓練)、②地域の危険箇所の把握(防災マップの作成)、③要配慮者の把握と支援体制の整備(避難行動要支援者名簿との連携)、④防災資機材の備蓄・管理(消火器・AED・担架等)、⑤防災知識の普及啓発等だ。市区町村は組織への資機材補助・訓練支援・リーダー育成研修等の支援を行う。
避難行動要支援者との連携
平成25年の災害対策基本法改正で市区町村が「避難行動要支援者名簿」を作成し(第49条の10)、地域の自治会・自主防災組織・民生委員等に事前に情報提供することが法制化された。高齢者・障害者・乳幼児等を持つ世帯の避難を地域ぐるみで支援する「個別避難計画」の作成(第49条の14)も努力義務とされており、自主防災組織が計画策定の担い手として期待されている。
担い手不足と活性化策
少子高齢化による担い手不足・自治会加入率低下が全国的な課題で、若い世代や外国人住民の参加促進が急務だ。総務省・消防庁は「防災士」(NPO法人日本防災士機構)等の民間資格取得支援を推奨し、専門知識を持つリーダーが組織をけん引する体制整備を促している。企業・学校との連携による地域防災力強化も自治体の重要な政策課題となっている。
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