ハザードマップとは、自然災害による被害を予測した区域や避難場所・避難経路等を地図上に表示した防災情報ツールであり、水防法・土砂災害防止法等に基づき市区町村が住民に配布・公表する。
洪水・土砂災害・津波・火山等の各災害種別に対応したハザードマップが作成されており、それぞれの根拠法令(水防法・土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律・津波防災地域づくりに関する法律等)に基づく区域指定情報を重ねて表示する。内閣府・国土地理院が「重ねるハザードマップ」(デジタルハザードマップ)を提供しており、住所入力でその地点のリスクを一括確認できる。
主要なハザードマップの種類
洪水ハザードマップは浸水想定区域(水防法第14条)と浸水深(深さ)を色分けして表示し、避難指示等の発令区域のベースとなる。土砂災害ハザードマップは都道府県が指定する土砂災害警戒区域(イエローゾーン)・土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)を表示する。津波ハザードマップは最大クラスの津波浸水想定(第二東海地震等を想定した「最大クラス」)を反映しており、東日本大震災後に大幅に見直された。 洪水ハザードマップには「浸水想定区域内に自宅がある場合の避難行動(垂直避難・水平避難の選択基準)」や「地下空間への浸水リスク」等の付属情報も記載され、単なる区域表示から「行動につながる情報提供」への質的向上が図られている。令和4年改定の水防法では大規模盛土造成地マップとの連携も求められるようになった。
配布・活用の実務
市区町村は洪水・土砂災害ハザードマップを新たに作成・修正した場合、印刷物の配布またはウェブ公開のいずれかで住民に周知する義務がある(水防法第15条第3項・同施行規則第11条の2)。地価・不動産取引への影響を懸念して公表が遅れたり情報量が不十分だったりするケースが問題視されており、国土交通省は「居住誘導区域」(立地適正化計画)と連動した積極的な情報提供を推奨している。
自主防災組織との連携
ハザードマップを活用した「地区防災計画」(災害対策基本法第42条の2)の策定や避難訓練が推進されており、住民自らがマップを読み解いて「自分の地域のリスク」を理解するワークショップが全国の自治体で行われている。
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