レクとは「レクチャー(説明)」の略で、担当者や幹部職員が政策立案の経緯・内容・今後の方針を関係者に口頭説明する場をいい、議員への事前説明(議員レク)と庁内関係者への説明(庁内レク)が代表的な形式である。
正式な会議や公式文書とは区別される非公式の説明行為だが、予算要求・条例改正・重要施策の立案過程では欠かせない庁内調整の実践だ。「議員レク」は首長提案の議案や予算を議会提出前に議員・会派代表等に説明し、本会議・委員会での審議を円滑にする慣行として自治体議会で広く定着している。「庁内レク」は関係部署・幹部職員への事前説明で、合議前の根回しや首長・副首長への方針上申前の説明が代表的な場面だ。
議員レクの慣行と留意点
議員レクは法令上の根拠はなく、議会・自治体ごとの慣行による。与野党を問わず主要会派に対して対等に情報提供する形が望ましいとされ、一部会派のみへの先行説明は公平性の問題として指摘される場合がある。未発表の予算情報や人事情報の取扱いは情報管理上の慎重な判断が必要で、庁内の情報管理規程・慣行に照らして対応する。 議員レクには法令上の根拠がなく、首長・職員の善意的な情報提供行為だ。与党会派と野党会派に対して情報提供の公平性を保つ慣行が一般的で、特定会派のみへの先行説明は信頼関係の毀損につながる。未公表の予算情報・人事情報の取扱いは情報公開条例の非公開事由との整合を確認する必要があり、レクの場で行われた情報提供は、後に情報公開請求の対象となり得ることを念頭に置かなければならない。
庁内レクと意思決定の記録
起案・合議・決裁のフォーマルな文書フローに対し、レクはその前段の根回しとして機能するため、内容・合意事項が文書に残らない場合がある。公文書管理条例を制定した自治体では打合せ記録の作成義務を規定するケースが増えており、重要な政策判断に関するレクの概要を「打合せ記録」として文書化する運用が情報公開の実践として定着しつつある。 公文書管理上、重要な政策判断に至った経緯はレクの打合せ記録として文書化する運用が広まっている。令和2年に情報公開・個人情報保護制度の見直し(個人情報保護法の一元化)が進んだことで、打合せ記録の開示請求が増え、記録の質と保存期間が実務上の管理課題となった。議員レクの打合せ記録は「内部検討段階の情報」として非公開が認められるケースも多いが、組織としての意思形成過程の透明性を確保しなければならない。
ご意見箱(匿名で投稿できます)