公共工事品質確保法(品確法)とは、公共工事の品質確保と担い手の育成・確保を目的とした法律で、総合評価落札方式・価格ダンピング対策・適正な利潤確保の原則を定める。
公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)とは、公共工事の品質を確保するとともに、その担い手の中長期的な育成・確保を促進する目的で制定された法律である。2005年に制定、2014年・2019年に改正され、発注者責務・多様な入札方式の活用等が強化された。
法律の目的と基本原則
品確法は公共工事の品質確保を「現在および将来の公共工事の品質が確保されること」と定義し、コスト削減のみを優先した価格競争の弊害を是正することを目的とする。法は①品質確保の担い手の中長期的な確保、②発注者の責務(予定価格の適正な設定・低入札対策・工期の適正設定)、③受注者の責務(技術力の維持・向上・施工能力の確保)を基本原則として定める。価格ダンピングによる品質低下・建設業者の経営悪化を防ぐための最低制限価格・低入札価格調査制度の根拠法的位置づけを与える。
総合評価落札方式との関係
品確法は、価格のみによる落札方式に代え、価格と技術力・施工実績等の品質要素を組み合わせて落札者を決定する総合評価落札方式の導入を促進する根拠を与えている。総合評価落札方式では入札者が技術提案書を提出し、評価基準(品確法施行規則・発注機関の評価要領)に従って点数化された技術評価点と価格点の合計で落札者が決まる。総合評価により技術力の高い業者が評価される仕組みが構築され、単純な最低価格競争からの転換が図られている。
2019年改正の主な内容
2019年の改正では①働き方改革への対応(適正な工期確保・歩切りの禁止の明確化)、②災害時の緊急工事への対応(随意契約・指名競争入札の柔軟な適用)、③インフラ老朽化対策(維持修繕における品質確保の強化)、④建設業の担い手確保(若者・女性の就業促進のための環境整備)が主要な改正事項として盛り込まれた。発注者による「適正な利潤が確保できる予定価格の適正設定」の義務が明確化され、予定価格の歩切り(意図的な引き下げ)が明示的に禁止された。品確法に基づく総合評価落札方式の実施にあたっては、評価基準・評価項目の設定を入札公告前に決定し、透明性・公正性を確保した上で審査を実施することが発注機関の義務となる。発注機関は品確法の趣旨を踏まえ、価格だけでなく技術力・施工能力を評価する入札方式の拡充を継続的な調達改善の方向性として位置付けることが推奨されている。品確法の対象となる公共工事には適用される基準を遵守する義務があり、担当者は法律の改正動向を把握し、総合評価落札方式・設計変更ガイドライン等の関連通知を収集して実務に反映させることが継続的な課題となる。
あわせて読みたい
参考情報(外部リンク)
ご意見箱(匿名で投稿できます)