指名競争入札とは、地方自治法施行令第167条に基づき、発注者が資力・信用・技術等について適切と認める特定の者を指名して行う競争入札であり、一般競争入札と随意契約の中間に位置する契約方式である。
一般競争入札が原則であるが(地方自治法第234条第1項)、工事・物品等の性質・目的から競争に加わるべき者の数が少ない場合・工事等の規模・性質等に照らして競争参加者が多数になると入札事務が繁雑になる場合・契約の性質・目的が一般競争入札に適さない場合等は指名競争入札によることができる(地方自治法施行令第167条)。発注者があらかじめ業者を指名するため、一般競争入札より競争性が低く透明性確保への要請が高い。
指名業者の選定基準
指名業者の選定は①工事等の種別・規模に応じた格付け(技術・経営状況の総合評価)、②過去の契約実績・施工能力、③地理的条件(現地での施工能力・緊急時対応)、④指名回避事由(不正行為・暴力団との関係等)の非該当確認を組み合わせて判断する。指名業者数は競争性確保のため一定数(一般的に5者以上)を指名することが求められ、特定業者への指名偏重は競争制限として問題視される。 指名審査委員会(または指名委員会)を設置して指名の透明性・公正性を確保する自治体が多い。指名から除外された業者が審査委員会への異議申出を行えるようにするなど、手続きの公正性担保が重要だ。指名情報(指名業者名・落札者・落札価格等)は自治体のウェブサイトで公表する方向に移行しており、透明性向上の観点から情報開示が進んでいる。
一般競争入札との比較
一般競争入札が参加資格を満たすすべての者が競争に参加できるのに対し、指名競争入札は発注者が指名した者のみが参加する。一般競争入札は競争性・透明性が高いが、参加者の施工能力・信用の事前確認が難しく、低品質業者の参入リスクがある。指名競争入札は参加者の品質を事前確認できる反面、指名に裁量の余地があり業者癒着・談合が生じやすいとして批判を受けることがある。
活用場面と限定理由の記録
指名競争入札を活用できる場面は法令(地方自治法施行令第167条各号)が限定的に規定しており、担当者は使用する理由の根拠を起案書等に明記しなければならない。工事・物品の規模・性質に照らして一般競争入札・指名競争入札・随意契約のいずれが適切かを検討し、その選択理由を記録に残すことが会計検査・監査委員の指摘に備える実務上の基本だ。
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