官製談合とは、発注機関の職員が入札・契約手続きにおいて特定の受注者を優遇するために予定価格・設計内容等の秘密情報を漏洩したり、受注者間の談合を指示・助長・黙認したりする違法行為であり、入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律が規制の根拠となるものである。
一般的な談合が受注者側の自律的な合意形成であるのに対し、官製談合は発注機関の職員が談合の成立・維持に能動的に関与する点で質的に異なる。予定価格の事前漏洩・指名業者リストへの恣意的な操作・落札業者の指定・談合情報の黙認などが典型的な行為態様である。建設業・IT調達・物品購入など公共調達の各分野で摘発事例があり、大型工事を中心に地方自治体の発注部門で発覚するケースが後を絶たない。官製談合が発覚した場合は発注機関の信頼が大きく損なわれ、首長・部局長の引責辞任に至る事例もある。
適用される法令と処罰
官製談合を行った職員には、①刑法第96条の6(競売入札妨害罪)による刑事罰(3年以下の懲役または250万円以下の罰金)、②官製談合防止法(入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律)による刑事罰・行政措置が適用される。発注機関の長は損害賠償請求・入札参加停止等の措置を講じる義務を負う。当該職員は懲戒処分の対象ともなり、民事上の損害賠償責任も生じる。摘発事例では複数の職員が長期にわたって組織的に関与するケースも多く、上司・部下の連座による複数人処分となることが多い。
防止体制の整備
発注機関は官製談合防止のため、①設計積算と発注手続きの部署分離(情報遮断)、②予定価格の封印保管と開札後即時公表、③内部通報制度の整備、④入札監視委員会・外部監察機関による定期点検などの内部統制措置を講じることが標準的な対応となっている。職員研修では具体的な事例を用いた教育を定期実施し、関与行為の類型・処罰内容・通報窓口を周知することが再発防止の基本となる。業者との接触を制限する規程を整備し、複数名同席を原則とすることが組織的な牽制機能として有効である。
発注機関として官製談合を防止するためには、単なる規程の整備にとどまらず、上司・管理職が部下の業者接触状況を把握し、異常な動きがあれば速やかに確認できる職場環境の醸成が再発防止の本質となる。過去の摘発事例を教材として活用し、どのような状況でどのような接触が問題となったかを職員が具体的にイメージできる研修を実施することが官製談合抑止の実効性を高める。業務引継ぎの際に前任者が取り組んでいた案件の業者接触状況を文書化して確実に引き継ぐことが、官製談合の再発防止体制の連続性を組織として維持する上での基本的な対応となる。
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