競売入札妨害罪

読み:きようばいにゆうさつぼうがいざい

別名:談合罪

競売入札妨害罪とは、刑法第96条の6が定める犯罪であり、偽計または威力を用いて競売・入札の公正を害した者および入札において他人と通謀して競争を制限した者(いわゆる談合)を処罰するものである。

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刑法第96条の6(平成23年改正後)は、「偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした者」(第1)と「公正な価格を害し又は不正な利益を得る的で、談合した者」(第2項)を3年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金に処するものとしている。第1項は偽計・威力を用いた妨害行為(虚偽の応札・脅迫等)を対象とし、第2項は談合(共謀による競争制限)を対象とする。公共入札だけでなく民間競売・オークションも適用対象となる。平成23年の刑法改正前は法定刑が「2年以下の懲役または250万円以下の罰金」であったが、処罰の実効性を高めるため懲役刑が引き上げられた。

官製談合防止法独禁法との関係

談合を行った受注者は本条(刑法第96条の6第2項)の刑事罰対象となり、独占禁止法上の課徴金・排除措置命令も別途課される。発注機関の職員が談合に関与した場合は、本条に加えて官製談合防止法(入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律)の刑事罰規定も適用される。複数の法令が競合する場合は観念的競合として処理されることが多いが、事案によって適用条文の組み合わせが異なる。検察・警察と公正取引委員会が連携して捜査を進めるケースも多く、刑事事件と行政事件が並行して進行する場面がある。

公共調達における摘発事例の特徴

公共工事・物品調達における談合事件は、公正取引委員会の調査開始をきっかけに刑事告発に至るケースが典型的である。受注業者側の「談合調整役」が受注予定者・落札予定価格を事前に取り決める組織的な犯行形態が多い。発注機関側の職員が関与する官製談合の場合は証拠隠滅の可能性が高く、内部通報・外部からの情報提供が摘発の端緒となる事例が目立つ。発注機関は談合情報を受けた際の対応マニュアルを策定し、証拠保全・公正取引委員会への通報・入札手続きの一時停止等の対応を組織的に実施できる体制を整えておくことが重要となる。

競売入札妨害罪は公共調達の廉潔性を守る刑事規定であり、発注機関は談合情報を受けた際の初動対応(証拠保全・入札一時停止・公正取引委員会への通報)を事前にマニュアル化しておくことが的確な対処につながる。自治体が損害を受けた場合は不法行為に基づく損害賠償請求権を行使できるため、顧問弁護士・法務担当部署と連携した損害額の算定・訴訟提起の準備を並行して進めることが財政的損失の回復手段となる。

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