独占禁止法とは、私的独占・不当な取引制限(談合・カルテル等)を禁止する法律で、公共工事の入札談合に対して課徴金・排除措置命令・刑事罰を定める競争政策の根拠法である。
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法・独禁法)とは、事業者の不当な競争制限行為を禁止し、自由で公正な競争を確保することを目的とする経済法の根幹をなす法律である。1947年制定で、公共調達における談合規制の根拠法として機能する。
法律の禁止事項
独占禁止法が禁止する主な行為は①私的独占(事業者が単独または共同で他の事業者の事業活動を排除・支配する行為)、②不当な取引制限(カルテル・談合:事業者間の合意による価格・数量・取引先の制限)、③不公正な取引方法(不当廉売・優越的地位の濫用等)である。入札談合は不当な取引制限(法第3条後段)に該当し、参加者全員が違反主体となる。落札価格の引き上げにより発注機関(国民・納税者)が損害を受けるため、公共工事の談合は特に厳しく規制される。
課徴金制度
独禁法第7条の2以下は、カルテル・談合に参加した事業者に対して課徴金の納付を命じる制度を設ける。課徴金額は違反行為に関わる売上額(対象となる工事・物品・役務の売上高)に一定の算定率(製造業10%・建設業等3%等)を乗じて算定される。リニエンシー(課徴金減免)制度により、自主申告した事業者(1位申告者は100%免除等)の課徴金が減免される仕組みがあり、談合の内部崩壊を促進する政策的な意図がある。課徴金の賦課は企業の信用に深刻な影響を及ぼし、受注資格の取消しや指名停止と重なることで事業継続に大きな打撃を与える場合もある。
建設業・公共調達への適用
建設工事の入札談合(受注予定業者・価格を事前協議する行為)は独禁法違反として公正取引委員会が排除措置命令・課徴金命令を発する。官製談合(発注機関の職員が談合を関与・助長する行為)は「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」(官製談合防止法)により別途規制され、職員個人および発注機関に対する措置が定められている。発注機関は談合防止のため落札率の動向を定期的に分析し、異常値が検出された案件は公取委に情報提供することが発注機関の実務対応となる。 独占禁止法上の課徴金・排除措置命令の対象となった事案は業者の信用・財務に深刻な影響を与えるため、処分が下された業者との契約継続の可否について法務担当部署と連携して判断することが発注機関の実務課題となる。独占禁止法の基本的な概念(不当な取引制限・優越的地位の濫用等)を担当職員が理解することが、発注業務における法令遵守意識の基盤となる。発注機関は独占禁止法違反の疑いを察知した場合に公取委への情報提供を行う体制を整え、談合抑止と公正競争の環境維持に貢献することが社会的責任として位置付けられる。
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