コンプライアンスとは、法令・条例・規則・内部規程・社会規範等を遵守して職務を遂行することで、自治体においては職員倫理・情報管理・入札適正化・ハラスメント防止等を含む広義の法令適合行動の総称として用いられる。
もともと企業の法令遵守を意味する経営用語として普及したが、自治体では不祥事防止・公正な職務執行の観点から2000年代以降に広く定着した。地方公務員法第33条の信用失墜行為の禁止・第34条の秘密保持義務・第35条の職務専念義務等が職員に課す法的義務の遵守はコンプライアンスの基礎であり、これに入札契約適正化法・個人情報保護法・情報公開法・ハラスメント防止法等の遵守が加わる。自治体のコンプライアンス推進は「コンプライアンス推進計画」の策定・研修の実施・内部通報制度の整備の3本柱で進められるケースが多い。
内部通報制度との連動
公益通報者保護法(令和2年改正・令和4年6月施行)は常時雇用300人超の事業者(自治体を含む)に内部通報体制の整備を義務付け、内部通報窓口の設置・通報者への不利益取扱いの禁止・調査・是正措置を求めている。自治体の内部通報制度は首長部局・議会・教育委員会を横断した設計が求められるが、小規模自治体では外部機関(弁護士事務所等)への委託で窓口を設けるケースが増えている。通報件数より是正件数・再発防止策の実施状況を重視した運用が制度の実効性を担保する。
首長・議会との倫理規程
職員倫理規程だけでなく、特別職(首長・副首長・議員)の倫理条例・政治倫理条例を制定する自治体も増えている。政治倫理条例は利益相反の禁止・資産公開・収賄防止等を定め、首長等が条例に違反した場合の住民調査請求制度を設けている例もある。倫理的問題は行政法上の違法とは別の評価軸であり、法令に違反しなくても倫理規程違反が問われる場面がある点を職員研修で繰り返し周知することがコンプライアンス文化の醸成に直結する。
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