公益通報者保護法

読み:こうえきつうほうしゃほごほう

公益通報者保護法とは、公益のために不正行為を通報した者を解雇・不利益取扱いから保護する法律で、2022年改正で保護範囲が拡大され、自治体を含む一定規模の事業者に内部通報制度の整備を義務づける。

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公益通報者保護法とは、法令違反行為(犯罪行為・法令違反等)を通報した労働者・退職者・役員を、通報を理由とした解雇・降格減給等の不利益取扱いから保護する法律である。2004年制定、2022年改正で保護範囲が大幅に強化された。

保護の対象と要件

公益通報者保護法による保護の対象は①通報者(労働者・退職者・役員)、②保護される通報の内容(対象法律に規定する犯罪行為・法令違反)、③通報先(内部窓口・外部窓口・行政機関・報道機関等)の三点で定まる。「公益のため」という要件は通報者の動機ではなく、通報の内容が特定の法令違反に関するものであることを意味する。不利益取扱いの禁止は通報者のみでなく、通報に協力した者(情報提供者・参考人)にも及ぶ。これらの要件を満たさない通報は保護の対象外となるため、通報前に窓口担当者が要件の確認を支援する体制が有効である。

2022年改正の主要内容

2022年6月施行の改正法の主要な改正点は①事業者(常時雇用300人超)への内部通報窓口の設置義務と従事者(内部調査担当者)の指定義務の新設、②従事者の守秘義務(通報者情報の秘密保持)と違反への罰則(30万円以下の過料)の新設、③行政機関への通報要件の緩和(証拠の不要化)、④保護対象となる法令の範囲拡大(刑事罰のない行政法上の義務違反も含む)の四点である。自治体も「事業者」として同法が適用されるため、規模要件に該当する自治体は内部通報体制の整備が義務となった。

公共調達への関連

自治体や公共工事の受注業者における談合・不正な随意契約・贈収賄等の違法行為は公益通報の対象となる。通報者を適切に保護する体制を整備することで、組織内部からの不正の申告が促進され、入札・契約の適正化に寄与する。自治体調達担当職員が上司から不正な随意契約を指示された場合に内部通報制度を活用できるよう、制度の周知・訓練・相談窓口の充実が必要である。外部通報先として総務省・各省庁の外部窓口や弁護士が活用でき、内部での是正が期待できない場合の重要な選択肢となる。 公益通報者保護法は2022年の改正により保護対象が拡大され、従業員数300名超の組織には内部通報体制の整備義務が課された。自治体においても同法の趣旨を踏まえた通報窓口の整備と通報者の不利益取扱い禁止の徹底が義務付けられており、担当部署は最新の法令改正に対応した制度の見直しを定期的に実施することが必要となる。通報に対して隠蔽や解雇等の報復を行った組織は法的制裁の対象となるため、管理職層への法令教育と公正な対応体制の整備が最優先の組織的課題となっている。

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