入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律
読み:にゅうさつだんごうとうかんよこういのはいじょおよびぼうしならびにしょくいんによるにゅうさつとうのこうせいをがいすべきこういのしょばつにかんするほうりつ
入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律とは、発注機関の職員が入札・契約手続きに関与して受注者間の談合を助長・指示・黙認する行為を禁止し、違反職員への行政措置と刑事罰を規定した法律であり、官製談合の防止を目的とするものである。
国・地方公共団体・特殊法人等の発注機関において、職員が特定業者に予定価格を漏洩したり受注者間の談合を指示・黙認したりする「官製談合」は、競争入札制度の根幹を損なう行為として問題視されてきた。平成14年(2002年)制定の本法は、こうした職員の関与行為を明文で禁止し、行政措置と刑事罰の両面から規制する体制を整備した。国土交通省・自治体発注の大型工事を中心に摘発事例が相次いだことが立法の直接の契機であり、地方自治体の発注担当者は本法の内容を正確に把握しておく必要がある。本法に定める「入札談合等関与行為」は、①談合への参加を示唆・勧誘する行為、②特定業者を受注予定者として指定する行為、③予定価格等の秘密情報を漏洩する行為の3類型に整理される。
禁止行為と罰則
職員が自ら競売入札妨害(刑法第96条の6)を犯した場合は刑事罰が直接適用される。本法固有の刑事罰は、職員が業者との癒着によって関与行為を行い起訴された場合に適用され、懲役刑および罰金刑が定められている。発注機関の長は、職員による関与行為が判明した場合、公正取引委員会への通知・損害賠償請求・入札参加停止等の措置を講じる義務を負う。当該職員には懲戒処分が伴うことが通例であり、民事上の損害賠償責任も生じる。情報漏洩の証拠となるメール・通話記録・面会記録等は捜査機関が収集するため、組織としての証拠保全体制も重要となる。
自治体における内部統制
本法の趣旨を踏まえ、自治体では①設計積算部門と発注部門の情報遮断、②予定価格の封印保管と開札後の即時公表、③入札監視委員会・外部監察機関による定期点検などの内部統制措置が標準化されている。職員研修では官製談合防止を専門テーマとした内容を定期実施し、関与行為の類型・処罰内容・通報窓口を具体的に周知することが再発防止の基本となる。内部通報制度(公益通報者保護法との整合を確保したもの)を整備し、職員が疑義を匿名で申告できる環境を確保することが腐敗防止体制の一環として位置づけられる。発注担当者と特定業者との過度な接触を制限する「接触制限規程」を設け、業者との連絡は担当部署の複数名が関与する体制とすることも有効な牽制策である。摘発事例では担当者個人が長期間同一ポストに在籍することが官製談合の温床になった事例が多く、人事ローテーションの適正化も防止策として機能する。
入札制度の健全性は自治体への住民信頼の基盤であり、官製談合の防止は首長・幹部職員を含む全庁的な取組として位置づけられる。
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