特殊法人とは、法律によって直接設立されるか、または特別の法律により特別の設立行為によって設立される法人であり、国が関与して特定の政策目的を実現するために設置される準公的な機関である。
特殊法人は、一般の会社法・民法による法人とは異なり、個別の設置法律によって設立される法人である。日本道路公団(現在は民営化)・日本国有鉄道(現JR各社)・日本電信電話公社(現NTT)等の旧国営企業も特殊法人の代表例であるが、民営化・解散・独立行政法人への移行によって特殊法人の数は大幅に減少した。現在も存続する主な特殊法人としては、国際協力機構(JICA)・日本政策金融公庫・日本放送協会(NHK)等がある。
特殊法人は国の政策実施の手段として設けられるが、国の行政機関ではないため予算・人事・組織の面での弾力性を持つ。一方で、国からの出資・補助・役職員の任命権等から国の強い関与が維持されており、独立性は限定的である。行政改革の文脈では特殊法人の非効率・天下りの温床・補助金の無駄遣い等が批判されてきた経緯があり、特殊法人整理合理化計画(2001年)以降、廃止・民営化・独立行政法人への転換が大規模に進められた。
独立行政法人との違い
独立行政法人は独立行政法人通則法という横断的な法律に基づいて設置されるのに対し、特殊法人は各法人の設置法に基づき個別に設立される点が制度上の大きな違いである。また、独立行政法人には中期目標・中期計画・業績評価の仕組みが共通して適用されるが、特殊法人のガバナンスは設置法ごとに異なる。独立行政法人と特殊法人の境界は制度上明確に定義されており、総務省が毎年公表する法人数の統計においても両者は別掲されている。
地方の特殊法人に相当する団体
地方公共団体の場合、国の特殊法人に相当する機能を担う組織として、土地開発公社・地方道路公社・住宅供給公社等の地方三公社が設けられてきた。これらは地方公共団体が設立した法人であり、国の特殊法人とは法的性格が異なるが、行政の補完的機能を担う点では類似の役割を果たしてきた。地方三公社についても財政状況の悪化を受けた整理統合が進んでいる。特殊法人は行政改革の象徴的な対象として繰り返し見直しが行われており、廃止・民営化・独立行政法人への転換を経て現在に至っている。残存する特殊法人は政策的な必要性が高い分野に絞られており、国の強い関与のもとで設立目的の達成状況を定期的に評価する仕組みが整備されている。特殊法人の補助金・出資・役員人事に関する情報は国会・会計検査院の審査対象となるため、ガバナンスの透明性確保が特殊法人運営の基本的な前提となっている。
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