総合評価落札方式とは、価格のみで落札者を決定する通常の競争入札と異なり、価格と品質・技術等を総合的に評価して落札者を決定する競争入札方式であり、公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)等に基づく。
公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法。平成17年法律第18号)第18条が採用を推進しており、価格競争だけでは安全性・品質の確保が困難な場合に技術・施工計画・環境配慮等の要素を加えた「総合的な価値」で評価する方式だ。国土交通省・農林水産省が公共工事標準入札契約約款・入札説明書の標準モデルを整備しており、自治体への普及が進んでいる。
評価の仕組み
落札者の決定は「入札価格÷技術評価点(技術評価値)=評価値」を算出し(価格評価と技術評価の比率はケースにより異なる)、評価値が最小(最も優れている)の者を落札者とする「除算方式」が一般的だ。技術評価点は①施工計画(品質管理・安全管理方針等)、②企業の技術力(同種工事の実績・表彰歴等)、③配置予定技術者の能力(資格・同種工事経験等)等の評価項目に点数を割り当てて算出する。 技術評価の配点割合(価格の配点との比率)は工事の性質・目的に応じて設定し、標準的には技術評価点が全体の30〜50%程度を占める設計が多い。技術評価項目・配点・評価基準を入札公告・入札説明書に明示し、評価結果は落札決定後に公表する義務がある(品確法第18条第2項)。
簡易型と標準型
総合評価落札方式には評価項目の数・複雑さに応じて①簡易型(施工実績・配置技術者の資格等を簡易な評価項目で評価)と②標準型(詳細な施工計画・技術提案を求める高度な評価)がある。小規模工事・比較的標準的な工事では簡易型、高度な技術が求められる大規模工事では標準型(または高度技術提案型)を適用する。
活用の課題
評価の客観性確保(評価基準の不透明感・評価員の恣意)と応札者の作成負担(技術提案書類の膨大化)が課題として指摘されている。国土交通省は令和元年の品確法改正で「適切な入札・契約の発注体制の整備」を自治体に求めており、発注担当者の評価能力向上と書類作成負担軽減(提出書類の標準化・ウェブ提出)が自治体の継続課題だ。
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