VE方式

読み:ぶいいーほうしき

別名:バリューエンジニアリング方式別名:VE提案

VE方式とは、Value Engineering(バリューエンジニアリング)の考え方を公共調達に適用したもので、落札後または入札前に受注者が工事・業務の品質・機能を維持しながらコスト削減に資する代替案を発注者に提案し、採用された場合に削減コストの一部を受注者が享受できる仕組みであり、発注者・受注者双方に便益をもたらすものである。

この説明はいかがですか?

VE(Value Engineering)とは「機能÷コスト」で表されるバリュー(価値)を最大化する系統的な手法であり、民間企業では製品設計の段階から広く用いられてきた。公共工事へのVEの適用は1990年代に米国で標準化が進み、国土交通省が公共工事の品質確保の推進に向けた取組の一環として国内への普及を促した。日本の公共工事では主に「落札後VE」が採用されており、受注者が施工着手前に発注者と協議のうえ代替材料・工法・設計変更等のVE提案を行い、認められた場合は設計変更によるコスト削減額を発注者・受注者で分配する仕組みとなっている。この分配率は契約書または特記仕様書に事前に定められるため、発注担当者はVE適用の可否と分配条件を契約時に明確にしておく必要がある。VE提案が採用された際の設計変更手続きを事前に整理し、監理者・設計者との協議フローを定めておくことで、施工段階での混乱を防ぐことができる。受注者が設計の意図を尊重しながら代替案を提示することがVEの本来の姿であり、仕様変更による品質低下とVEを混同しないよう発注者・受注者双方の理解が前提となる。

入札前VEと活用場面

入札前VEは設計段階で発注者がVEを実施するものであり、設計成果物のコスト・品質・工期を客観的に評価することで不要なコストを排除する。外部のVEコーディネーターや有識者チームが設計内容を評価してコスト削減や機能向上の提案を行い、発注者が採否を判断するプロセスで進められる。落札後VEは受注者の現場技術力や専門知識を調達に活かせる一方、設計者の意図に反する変更を招くリスクもあるため、構造安全性・耐久性・維持管理コストへの影響を技術審査で確認したうえで採否を決定することが前提となる。

自治体での運用上の注意

VEを導入する際には、VE提案の審査体制・分配率の設定方法・設計変更手続きとの整合性を内規または特記仕様書に整備しておく必要がある。VE提案が採用された場合の変更設計費用や監理費用の追加計上も見落としやすいポイントであり、VEによるコスト削減効果が付随する経費増で相殺されないよう費用対効果の評価が不可欠となる。発注担当者が現場のVE提案を評価できる技術的な知見を持つことが難しい場合は、外部専門家によるサポート体制を設けることでVE制度の実効性を高めることができる。VE提案の採否記録と削減効果を事後に集計・公表することで制度の成果を組織内外に示す取組も有効である。

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