諸支出金

読み:しょししゅつきん

諸支出金とは、目的別歳出の区分の一つで、積立金・投資及び出資金・貸付金・前年度繰上充当金等の各種支出をまとめた区分であり、民生費・土木費等の他の目的別区分に分類しにくい多様な性格の支出を包括する区分である。

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諸支出金は民生費衛生費土木費等の具体的な行政的に帰属しにくい支出を一括して計上する目的別歳出の区分であり、積立金投資及び出資金貸付金前年度繰上充当金等が主な内容となる。積立金は財政調整基金減債基金・特定目的基金等への積立額であり、余剰財源を将来の特定目的のために留保する性格を持つ。投資及び出資金は第三セクター・地方公社等への出資や有価証券等への投資であり、収益を期待する投資的性格の支出である。貸付金は中小企業等への制度融資の原資として支出する資金であり、翌年度以降に元金回収が見込まれる。前年度繰上充当金は前年度実質収支の黒字を当年度の財源に充当する経理上の処理目であり、歳入との対称で歳出に計上される調整項目である。

諸支出金の規模は財政調整基金への積立状況や地方債の繰上償還の有無によって年度間の変動が生じる。財政に余裕がある年度に財政調整基金への大口積み立てを実施する場合、諸支出金が大幅に増加して歳出総額を押し上げることがある。この場合、民生費・土木費等の行政サービス向けの実質的な歳出は変化していないにもかかわらず歳出総額が増えるため、財政分析においては諸支出金の内訳を必ず確認する必要がある。

貸付金の性格と管理

諸支出金として計上された貸付金は翌年度以降に元金回収・利子収入として歳入に計上される。制度融資の原資を金融機関に預託する方式(預託方式)では、自治体が金融機関に低利資金を預託し金融機関が企業等に貸し出す仕組みをとる。この場合の諸支出金(預託金)は翌年度に全額回収されることが見込まれ、実質的な財政負担ではない。財政担当者は諸支出金の内訳を正確に把握し、積立金・出資金・回転資金としての貸付金の性格の違いを区別して管理することが財政分析の精度を高める実務上の要点となる。

積立金と財政の弾力性

財政調整基金等への積立(積立金)は財政の安定性・弾力性を高める操作であり、実質単年度収支の計算においてプラス要因として加算される。財政的に余裕がある年度に積み立てを実施し、財政が厳しい年度に取り崩す「コンドーム型財政管理」(平準化)の側面では、積立金の計画的な積み増しと適時の取り崩しが財政安定化の実務的な手法となる。

諸支出金の年度変動要因

諸支出金は財政調整基金等への積立額の大小によって年度間の変動が生じやすく、財政分析において他の目的別歳出区分との比較を行う際には諸支出金の内訳(何が増加・減少したか)を把握することが前提となる。例えば財政調整基金への積立を大幅に行った年度と取り崩しを行った年度では歳出総額に大きな差が生じるが、これは行政サービスの水準ではなく財政的な積み立て操作によるものである。決算分析の資料作成においてはこの点を明示的に説明することが住民・議員への財政情報の正確な伝達につながる。

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