シーリングとは、国の予算編成において財務省が各省庁の概算要求に設定する上限額・枠組みであり、毎年夏に「概算要求基準」として閣議了解されるものであり、地方公共団体の予算編成においても各部局への要求枠設定に同語が用いられる。
国の予算編成では、財務省が各省庁の予算要求に際して守るべき上限ルールを「概算要求基準(シーリング)」として毎年7〜8月に閣議了解する。シーリングには「一般歳出の伸び率」「義務的経費のマイナスシーリング」「新規要求は既存事業の廃止・縮減とのセット」など、その年の財政状況・政策方針に応じた内容が盛り込まれる。各省庁は示されたシーリングの範囲内で要求内容を組み立て、8月末に概算要求書を財務省に提出する。シーリングの設定が国庫補助金の総額に直接影響するため、地方公共団体の財政にも波及効果がある。年度によっては重要政策分野に限り通常枠を超える「特別枠」が設けられ、省庁間での競争的な政策立案が促される場合もある。
地方自治体の予算編成へのシーリング適用
「シーリング」という用語は地方自治体の予算編成にも転用されており、各部局が財政担当部局に提出できる予算要求の上限額を指す場面で広く使われる。「前年度当初予算比マイナス3%」「経常経費のシーリング」などの形で設定され、財政の硬直化が深刻な自治体ほど厳しいシーリングが課される傾向がある。部局はシーリング内に要求を収めるため、事業の廃止・縮減・統合の検討を行う「マイナスシーリング対応」を進める。新規事業の要求に際しては既存事業を同額以上削減する「スクラップ&ビルド」を条件とする自治体もある。
歳出削減との関係
財政再建が課題の自治体では、シーリング設定を出発点として経常収支比率の改善・財政調整基金の回復を図る中期財政計画が策定されることが多い。義務的経費(人件費・扶助費・公債費)はシーリングの範囲外とされる場合が多く、削減対象は主に投資的経費・物件費・補助費等となる。シーリング遵守状況は財政担当部署が定期的に確認し、査定ヒアリングや査定結果の通知によって各部局に反映する仕組みが一般的である。中期財政計画の数値目標と年度ごとのシーリング設定を連動させることで、複数年度にわたる財政規律の維持が図られる。
シーリングを設定する際は、単に要求額を一律削減するだけでなく、施策の優先度・費用対効果・住民ニーズとの整合を評価したうえで配分を見直す「事業仕分け」的な発想を取り入れることが財政規律と施策充実を両立させる道筋となる。財政担当部署がシーリング設定の根拠と配分基準を各部局に丁寧に説明することで、部局の理解を得ながら一体的な歳出抑制が進む。
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