概算要求とは、国の各省庁が翌年度に必要な予算規模・内容について財務省に提出する予算要求書であり、毎年8月末を期限として提出され、財務省との査定・折衝を経て翌年度政府予算案に反映されるものである。
国の予算編成は、各省庁が翌年度の政策実現に必要な予算を「概算要求」として財務省に提出することに始まる。財務省はシーリング(概算要求基準)で示された要求枠の範囲内に各省庁が要求を収めることを求め、8月末の提出期限までに各省庁が要求内容を固める。財務省は9月以降に各省庁との「主計官折衝」「大臣折衝」を経て予算案を取りまとめ、12月末に閣議決定する。地方公共団体が受け取る国庫補助金・地方交付税等の総額は、この概算要求・財務省査定のプロセスを経て決定される。省庁が概算要求に盛り込んだ新規施策や既存事業の拡充が、翌年度の地方への補助メニューに直結するため、自治体担当者は各省庁の概算要求内容の把握を予算計画の前提として位置づけている。
地方自治体との関係
地方公共団体が補助申請を行う国庫補助事業の予算は、所管省庁の概算要求に盛り込まれることで確保される。自治体が新規補助メニューの創設や補助率の拡充を国に働きかける場合、概算要求の時期(夏頃まで)に所管省庁へ要望を行うことが実効性を高める。全国知事会・全国市長会等の地方六団体が毎年実施する国への予算要望は、この概算要求サイクルに合わせて行われることが通例である。翌年度事業の実施見込みを立てる際は、概算要求段階での省庁の公表資料を参照し、補助内示の前に複数シナリオで計画を立案することが予算編成の安定化につながる。
地方版予算編成との対比
地方公共団体の予算編成では、国の概算要求に相当するものとして「予算要求」「経費見積り」などの内部手続きがある。各部局が首長・財政担当部局に翌年度の予算要求を提出し、ヒアリング・査定を経て予算案が策定される。査定の過程で要求上限額(シーリング)が設定される点も国の概算要求と共通する構造である。国の概算要求スケジュールと地方の予算要求スケジュールを照合し、国庫補助事業の見込み計上額を適時に修正する体制を整えておくことが財政担当部署の実務上の基本となる。
国の予算編成スケジュールと地方の事業計画サイクルを整合させるため、財政担当部署は8月頃に各省庁の概算要求公表資料を確認し、翌年度の補助メニュー・補助率の変動を早期に把握して年度内の予算補正や次年度の要求調整に反映させる体制を整えることが財政管理の安定化につながる。概算要求の公表内容は国の補助メニュー予測の参考となるため、財政担当部署は概算要求時期に省庁の資料を入手・整理し、次年度の財源確保に向けた情報を各部局に提供する役割を担う。
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