環境基本法
読み:かんきょうきほんほう
環境基本法とは、環境政策の基本理念・国・地方公共団体・事業者・国民の責務・環境基本計画等を定める環境政策の基本法で、大気・水・土壌・生態系等の環境保全の根拠をなす。
定義と制定経緯
環境基本法(平成5年法律第91号)は公害対策基本法と自然環境保全法を統合・発展させて1993年に制定された環境政策の基本法である。健全で恵み豊かな環境を維持しつつ環境への負荷の少ない持続可能な社会の構築を基本理念として掲げ、国・地方公共団体・事業者・国民の各主体の責務を規定する。環境基本計画(閣議決定)の策定義務・公害防止・自然環境保全・地球環境保全・環境教育等の基本的枠組みを定め、個別環境法(大気汚染防止法・水質汚濁防止法・廃棄物処理法等)の根拠となる体系的地位を占める。
地方公共団体の責務
環境基本法第7条は地方公共団体の責務として、国の施策に準じた施策の実施と、その地域の自然的社会的条件に応じた環境の保全のための施策の策定・実施を規定する。都道府県・市区町村は環境基本計画(地方版)を策定し、大気・水・騒音・振動・廃棄物・自然環境・生物多様性等の各分野の施策目標・指標を定める。地方環境基本計画は国の環境基本計画との整合を図りつつ地域特性を反映したものとされ、策定・推進過程での住民参加(パブリックコメント・審議会等)が重要な手続きとされている。
環境影響評価との関係
環境基本法は環境影響評価制度(アセスメント)の実施を求める条項を含んでいたが、その後環境影響評価法(平成9年法律第81号)が制定され、大規模事業の実施前に環境への影響を評価・審査する手続きが法定化された。都道府県・一定規模以上の市は条例で独自の環境影響評価制度を設けており、国の制度の対象に満たない中規模事業についても地方のアセスメントが適用されるケースがある。市区町村の公共事業・まちづくり施策を立案する際は環境基本計画との整合確認・必要に応じた環境アセスメントの実施が行政手続きの要件となる。
近年の政策展開
環境基本法の理念に基づく近年の政策として、地球温暖化対策推進法に基づくカーボンニュートラルの推進(2050年ゼロエミッション目標)・生物多様性基本法に基づく地域自然共生区域(OECM)の設定推進・プラスチック資源循環促進法の施行等がある。自治体は地域脱炭素ロードマップ・生物多様性地域戦略・地域循環共生圏の形成等において国の計画と整合した地域施策を実施することが政策的に求められており、環境部門と都市計画・産業・教育部門の横断的な取組が推進されている。
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