環境影響評価とは、環境影響評価法(平成9年法律第81号)に基づく手続きで、大規模な開発事業の実施前に環境への影響を予測・評価し、その結果を事業計画に反映させる制度である。
事業者はスコーピング(評価項目の絞り込み)を経て準備書・評価書を作成し、住民縦覧と行政意見の聴取を経て許認可手続きへ進む。対象事業は第1種事業(必ず実施)と第2種事業(スクリーニングで要否を判断)に分類され、道路・鉄道・空港・発電所・廃棄物最終処分場等の大規模事業が対象となる。自治体は知事意見の形成や条例環境影響評価制度の運用において主体的な役割を担い、開発許可と連動した審査を行う。
対象事業と手続きの概要
環境影響評価法(平成9年法律第81号)は4車線以上・延長10km超の道路や500ha超の土地区画整理事業等を第1種事業として定める。第2種事業は第1種を下回る規模のもので、都道府県知事がスクリーニングにより実施の要否を判断する。手続きの流れは、方法書の公告・縦覧→準備書の作成・縦覧→評価書の作成→許認可庁への送付、であり、住民意見と環境大臣・知事の意見が反映される仕組みとなっている。 環境影響評価法第4条第2項の別表に掲げる第1種事業(4車線以上かつ延長10km以上の道路等)は必須実施で、第2種事業(規模が第1種を下回るもの)はスクリーニング(知事の判断)で要否を決する。配慮書・方法書・準備書・評価書・報告書の5段階の手続きが法定されており(平成23年改正で配慮書手続きが追加)、各段階で事業者・行政・住民の三者間のやり取りが行われる。
条例環境影響評価制度と自治体の関与
法律アセスメントの対象外となる中規模開発に対し、多くの都道府県・政令市は独自の条例環境影響評価制度を設けている。東京都環境影響評価条例(昭和55年)や大阪府環境影響評価条例(平成9年)は、法律よりも小規模な事業を対象に加えることで地域の環境保全水準を確保している。自治体の開発許可手続きは環境影響評価の結論に基づき許認可条件が設定されるため、環境部局と開発許可部局の連携が不可欠となる。 47都道府県のほぼすべてが条例アセスメント制度を有しており、その対象規模は法律アセスメントの1/2〜1/3程度に設定されているケースが多い。大阪府条例は第1種(延長5km以上の道路等)から、東京都条例は用地取得3ha以上の事業から対象とするなど地域差がある。開発許可(都市計画法第29条)・土地区画整理事業・都市再開発事業は環境影響評価と連動して審査されるため、担当部局の横断的な連携が必須だ。
ご意見箱(匿名で投稿できます)