行政が道路を整備し、福祉を支え、治安を守るための財源は、特定の対価と引き換えにではなく、社会の構成員が負担能力に応じて納める金銭によって賄われている。租税は、この公共サービスの財源として国または地方公共団体が強制的に賦課徴収する金銭で、課税主体の別で国税と地方税に、使途の別で普通税と目的税に分類される。手数料や使用料のように特定のサービスの対価として支払うものとは異なり、個別の見返りを伴わない点が本質的な特徴である。租税の賦課徴収には租税法律主義により法律または条例の根拠を要し、国税は税法、地方税は地方税法と各団体の条例に基づいて課される。自治体の財政課にとっては、地方税という自主財源と、国税を原資とする地方交付税や国庫支出金という財政移転とが、租税という同じ枠組みの中で結びついている。
国税と地方税という課税主体による分類
租税は、誰が課税権の主体となるかによって国税と地方税に分かれる。国税は国が課税権の主体となって賦課徴収する租税で、所得税や法人税、消費税、相続税などがこれにあたり、賦課徴収は税務署が担う。地方税は地方公共団体が課税主体となる租税で、都道府県税と市町村税に大別され、住民税や固定資産税、事業税などが含まれる。同じ消費に課す消費税でも国税分と地方消費税分があるように、一つの経済活動に国と地方の双方が課税権を持つ場合がある。国と地方の税源配分は、国から地方への地方交付税や国庫支出金による財政移転と一体で財政全体の構造を形づくっている。
普通税と目的税という使途による分類
租税は、その収入の使い道を特定するか否かによって普通税と目的税に分かれる。普通税は使途を特定せず一般の経費に充てるために課される税で、住民税や固定資産税、所得税など大半の税がこれにあたり、収入は一般会計の一般財源となる。目的税は、特定の経費に充てる使途をあらかじめ定めて課される税で、都市計画税や入湯税などが該当し、収入は定められた目的以外には使えない。目的税は受益と負担の対応関係を明確にできる利点を持つ一方、使途が固定されることで財政運営の柔軟性は下がる。財政課が予算を編成する際、普通税は財源の融通が利くのに対し、目的税は対応する歳出と紐づけて管理する必要がある。
租税法律主義が課す法令上の根拠
租税の賦課徴収には、法律または条例の根拠が必要である。これを租税法律主義といい、納税義務者や課税客体、課税標準、税率などの課税の要件は、行政の裁量ではなく法律で定めなければならないとする原則である。国税は所得税法や法人税法などの個別の税法に、地方税は地方税法とそれを受けた各地方公共団体の条例に根拠を置く。地方公共団体は地方税法の枠内で、標準税率と異なる税率を条例で定めたり、法定外税を新設したりすることができるが、いずれも条例という法令上の根拠を要する。この原則があるため、自治体が独自課税を行う場合も、課税の根拠と要件を条例で明確に定める手続きが欠かせない。
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