納税義務者とは、法律の定めにより、税を納める義務を負う者をいう。地方税では、税目ごとにだれが納税義務者となるかが地方税法に定められ、税を負担する担税者と一致する場合と、一致しない場合とがある。
だれが税を納める義務を負うのかは、課税のすべての出発点となる。納税義務者は、法律によって納税の義務を課された者で、税目ごとに、どのような事実を備えた者がこれにあたるかが定められている。
地方税では、たとえば固定資産税は賦課期日に固定資産を所有する者、個人住民税はその市町村に住所を持ち一定の所得がある者が納税義務者となる。納税義務者は、実際に税を負担する担税者と一致することが多いが、消費に課される税のように、納める義務を負う事業者と、価格を通じて実際に負担する消費者とが分かれる場合もある。だれが納税義務者かが定まることで、納税通知書を送る相手、督促や滞納整理の対象、還付を受ける権利を持つ者が確定するため、その判定は課税事務の基礎となる。
納税義務者と担税者の分離
納税義務者は、税を納める法律上の義務を負う者を指し、税を実際に負担する担税者とは概念として区別される。両者が一致する税を直接税、分かれる税を間接税と呼ぶ。固定資産税や個人住民税では、納税義務者がそのまま税を負担する直接税である。一方、ゴルフ場利用税や入湯税のように、納める義務を負うのは事業者だが、料金に上乗せされて実際に負担するのは利用者であるという、納税義務者と担税者が分かれる税もある。特別徴収の仕組みでは、税を負担する従業員が納税義務者であり、給与から天引きして納める事業所は特別徴収義務者という別の立場で関与する。だれが何の立場で関わるのかを整理することが、課税関係を正しく理解する鍵となる。
連帯納税義務と第二次納税義務
納税義務は、一人の者だけが負うとは限らない。共有の固定資産については、共有者が連帯して納税義務を負う連帯納税義務が定められており、市町村はそのうちの誰に対しても全額を請求できる。また、本来の納税義務者から税を徴収できない場合に、一定の関係にある者が補充的に納税の義務を負う第二次納税義務の仕組みもある。これらは、納税義務者が単独で履行できないときにも税の徴収を確保するための制度であり、滞納整理の実務では、本来の納税義務者だけでなく、こうした関係者の責任をどこまで追及できるかが問題となる。
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