ジチテン

特別徴収

読み:とくべつちょうしゅう

意味

特別徴収とは、地方税の徴収方法の一つで、給与の支払者などの特別徴収義務者が、納税義務者に支払う金銭から税を天引きして、これをまとめて市町村等に納入する方式をいう(地方税法)。納税義務者が自ら納める普通徴収に対する語である。

納税者一人ひとりが自ら納めるのに任せると、納め忘れや滞納が避けられず、徴収する側の事務も膨らむ。特別徴収は、給与や年金の支払者を通じて税を天引きで集めることで、この負担を軽くする仕組みである。

代表例は、事業所が従業員の個人住民税を毎月の給与から差し引き、翌月までに市町村へ納入する形である。公的年金からの個人住民税の天引きや、ゴルフ場利用税、入湯税のように利用料金に上乗せして事業者が預かり納める税も特別徴収にあたる。納税者にとっては自ら納付する手間が省け、納め忘れが起きにくい。一方で、給与の支払者である特別徴収義務者には、天引きした税を期限までに正確に納入する義務と事務負担が生じ、これを怠れば滞納の責任を負うことになる。

特別徴収義務者という立場

特別徴収の要は、税を負担する納税義務者と、それを天引きして納める特別徴収義務者とが分かれている点にある。個人住民税であれば、税を負担するのは従業員だが、給与から差し引いて市町村に納める義務を負うのは事業所である。特別徴収義務者は、市町村から通知された各従業員の税額を毎月の給与から差し引き、原則として翌月十日までにまとめて納入しなければならない。この納入を怠れば、たとえ従業員から天引きしていても、特別徴収義務者自身が滞納の責任を問われる。納税の事務を私人である事業者に担わせる仕組みであるため、事業者の負担に配慮しつつ、確実な納入をどう確保するかが制度設計の論点となる。

年金からの特別徴収

特別徴収は給与に限らない。一定年齢以上の年金受給者の個人住民税や国民健康保険料、介護保険料は、公的年金から天引きして納める年金特別徴収の対象となる。これは、納め忘れを防ぎ、高齢者が窓口で納付する負担を軽くするとともに、市町村の徴収事務を効率化するために導入された。ただし、年度の途中で対象になった人や、税額が変わった場合などは、いったん普通徴収で納めてから特別徴収に移る取扱いがあり、納税者にとっては徴収方法が切り替わる時期の通知が分かりにくいという課題も指摘される。

つながりのある用語

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